進むドル離れ。サウジアラビア、中国との取り引きに人民元とリヤルを使うことに

揺らぐサウジの「米国への信頼」

 サウジが米国=オバマ政権への信頼を失うに至った過程で、次のような出来事があった。以下、箇条書きにしてみよう。 ●オバマ政権が「アラブの春」でムスリム同胞団が推すムルシー大統領を支持するという挙に出たことにサウジは苛立った。そして、サウジが支持するシシ大統領が民主的に選ばれていないと米国は批判してシシ政権への支援を色々と理由をつけて遅らせた。 ●シリア紛争では米国は武力介入すると当初言っておきながら、その後戸惑いを見せ武力介入なし。今ではアサド政権がロシアとイランの支援で勢力を取り戻していることをサウジは目のあたりにしてオバマ政権への不信を強めた。 ●オバマ大統領の主導によるイランとの核協議の開始したことにサウジは激怒。そして合意が結ばれて中東におけるイランの勢力が拡大する要因を作った。それを懸念したサウジはシリア紛争では反政府武装組織への支援を増強し、イエメンではイランが支援しているフーシ派が勢力を伸ばしつつあるのを見て武力介入を開始。その結果、イエメン紛争は長期化してサウジの財政を揺るがす要因のひとつになっている。 ●サウジ在住のサウジの封建的政治体制を批判していたシーア派のニルム師を処刑。この処刑にイラン市民は抗議してサウジ大使館と領事館を襲撃。これが要因となってサウジはイランとの国交を断絶した。 ●2001年のニューヨーク同時多発テロでサウジ政府が関与しているという疑いが発展して、米国議会はその遺族がサウジ政府に損害賠償を提訴できるようにした。しかも、オバマ大統領はそれに拒否権を使用して承認を覆そうとしたが、議会は大統領の拒否権をも否認するという事態にまで発展した。そして、遺族の一人は早速サウジ政府を提訴する手続きをした。サウジはこの審議が議会で承認されれば、サウジは報復処置を取るとオバマ大統領に伝えた。 ●米国ではシェールオイルの開発が進み、サウジから原油を輸入する必要もなくなるだけの量産ができるようになっている。サウジからの輸入に依存する必要がなくなっているのだ。  これらのことで、築き上げられた米国=サウジの関係は、もはやドル離れに繋がるほどになってしまったと思われる。
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ドル離れを決定づけたもう一つの要因
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