ソシャゲ関連株投資、8割の勝率を誇る投資家はあるアプリを使っていた

 全体的に低調な昨今の株式市場の中で、好調な決算を叩き出し大きな値上がりを見せる企業も多いソーシャルゲーム関連株。最近では『モンスターストライク』で息を吹き返したミクシィ(2121)や、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』で急伸したKlab(3656)など話題に事欠かない。  どのソシャゲ関連株にも共通するのが、新しい看板になりえるヒット作の存在。何作もリリースして大きく利益を稼げるのはその中で一作という利益の寡占が起こりやすいソシャゲ市場では、ヒット作の誕生が即株価に反映されやすい。つまり次代の大ヒットソシャゲをいち早く発掘できれば、大きく値上がりが期待できる銘柄がわかるということになる。  貯蓄200万円を2年で500万円以上にした柴崎さんは、ほとんどの利益をソシャゲ関連株の取引で上げているという。しかも、銘柄研究は通勤途中を利用して数日に一度、15分程度の作業。これだけで次の値上がり銘柄をリサーチだけで勝率が80%をキープしているというのだ。 「元々、重度のソシャゲゲーマーで月に5万円以上課金していたんです。でも、流行しないゲームに課金してもサービスがすぐに終了してしまい課金損になってしまう。できるだけ長く沢山の人が遊びそうな新規タイトルを探しているときに、『この方法は株取引に使えるのでは?』と思って実践したら大当たりでした」(柴崎さん)  最初は、アプリのヒットチャートの上位から興味をもったソシャゲ銘柄を中心に購入していた柴咲さんだが、ここ一年は「app annie」というアプリを使ってチャートを急上昇しているソシャゲを手早く発見している。 「app annieは、ソシャゲ業界の動向を知るのに業界人も利用しているアプリで、会員登録すると各国のアプリのランキングが一望できます。さらに自分で設定した期間内でのチャートの動向をグラフにして表示してくれる。これで、最近出たソシャゲタイトルをランキングで発見して、ここ一ヶ月の順位の推移を確認。急上昇しているソシャゲを中心に株を購入しています(柴崎さん)」  app annieで気になる10タイトルほどを選び、一番ランキング上昇率の高いソシャゲの銘柄を購入していることで、元手200万円を2年間で500万円にした柴崎さんだが、この手法に頼りきって失敗したことも数度あるという。 「最近は、サービスインとともに大規模な広告展開や、ガチャのキャンペーンなどをおこない力技でランキング上位に行くタイトルが多いです。テレビ広告展開をやめた途端に一気にゲームが過疎化して、肥大した広告費用で決算にも大きなダメージを受けた銘柄をつかんだことも何度かあります。また、開発会社だからと株を買ったら、下請け開発でライセンスは他の会社が持っておりあまり利益に還元されなかったケースもあります」  もともと、自分が長く遊びたいからとこの手法を編み出した柴咲さん。「気になるタイトルを見つけたらほとんど実際に遊んでみて株の購入を決めます。やっぱり遊んでみて楽しくないと株の値上がりも長く続かないと思いますし。最近の悩みは、株取引の利益でうっかり課金しまくってしまうことですね。ソシャゲ株で稼いでソシャゲに還元せずに貯金しないと……」(柴崎さん)  これも一種の芸は身を助くというヤツか? ともかく、通勤途中でもさくっとランキングを確認できる「app annie」の活用は、ソシャゲ株の次のアタリを見つけるのにかなり有効な手段の一つになりそうだ。 <取材・文/久保内信行(タブロイド)>