「中国人は本を読まない」のか? 中国の出版事情とは

稲盛和夫氏の著書は中国で180万部!

 今年8月に開催された中国最大の図書博覧会「第23回北京国際図書博覧会(BBIF)」で発表された統計によると、総発行部数86億6000万部(2015年)で、この数字には新刊書26万点と再発行書21万5000点を合わせた総発行部数となり、新刊に限ればざっくりではあるが約46.6億部となり、1人あたり3.3部となる。日本の新刊総発行部数は、7万6465点、10億8398万部(2014年)、1人あたり8.5部となる。(参照:「中国・本の情報館 東方書店」)  たとえば、ファッション雑誌『ViVi』の中国大陸版は100万部(2011年)発行しており、日本の35万部(2012年)の約3倍となっている。

孫正義氏の中国語書籍も置かれていた

 では、中国のベストセラー書籍はどのくらい売れているのかと東京の中国語書籍専門店へ確認すると中国は年間ベストセラーの部数などの統計発表はされていないそうだ。参考になるのは、各書籍関係元が各自で発表している数字くらいだ。日本の書籍だと『生き方』(稲盛和夫)が180万部、『隣のトットちゃん』(黒柳徹子)100万部などとなる。中には、『習近平氏、国家統治を語る』が1700万部突破と2015年2月に『人民日報』が報じたがこれはレアケースと考えてよいだろう(いずれも数字は累計部数)。(参照:「レコードチャイナ」)
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