南スーダン現地の支援関係者は、PKOの「駈け付け警護」に誰も期待していない!?

自衛隊の存在自体も知られていない

PKOの多国間共同訓練「カーン・クエスト」に参加する自衛隊員(陸上自衛隊HPより引用)

 日本が「駆け付け警護」を行うということは、現地では伝えられているのだろうか。 「自衛隊の存在自体、南スーダンではあまり知られていません。『国連PKOの一部』くらいの認識しかないでしょう。もちろん自衛隊がPKO5原則を持っていることや、憲法上の制約があることなども、現地では全く認識されていません。  2013年の内戦勃発以降、戦闘を止められてこなかったPKO部隊に対して、国民はほとんど何も期待していません。戦闘発生時の避難場所としては頼りにされていますが。南スーダン政府は『避難民の中に反政府派がまぎれ込んでいる』と考えているため、避難民に対しても敵対的です。  そもそも、南スーダン政府自体がPKOを快く思っていないようです。外交の公式な場では政府がPKOや国連を批判することは控えていますが、政府の高はたびたび『PKOは主権の侵害。出ていってほしい』と発言しています」
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PKOより民間警備会社が信頼される現地
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