泉田新潟県知事が語る「出馬撤回の理由は『原子力防災を争点にしてほしい』から」
9月29日に告示される新潟知事選(10月16日投開票)で、今年2月に出馬表明をしていた泉田裕彦知事が8月30日に突然、出馬撤回を表明。その途端、東京電力の株価が上昇した。すでに出馬表明をしていた自民推薦の森民夫・前長岡市長(全国市長会会長)が最有力候補となり、柏崎刈羽原発再稼働の可能性が高まったと株式市場が判断したためだ。
新潟県庁を訪れ、出馬撤回について泉田知事に話を聞いた。
――出馬撤回の理由として、『新潟日報』の報道をあげていました。
泉田知事:事実に反する記事や、県民に誤解を与えかねない記事が地元紙『新潟日報』にずっと載っていたので、「訂正してほしい」「適切な報道をしてほしい」と申し入れました。しかし、県から申し入れがあったことは報道されず、申入れ内容が正しいのか否かかも伝えない。あまりにもそれが重なったので8月24日の定例会見で訂正を求めましたが、「異例の会見」と報じただけで、状況は変わらなかった。「これでは、県の主張を届けるのが難しいのではないか」ということから今回、「(知事選から)撤退」という決断をしました。
【解説】泉田知事の対抗馬の森氏は旧建設省出身で長岡市長を5期務めたものの、67歳と高齢で長岡市以外での知名度は低かった。そこで自民党の一部(反泉田派)が、東電の広告を今年5回載せた『新潟日報』と連携して、泉田知事へのネガティブキャンペーンを先行させたとの見方もある。
まず『新潟日報』が、県が出資した「新潟国際海運」のフェリー購入問題(日本海横断航路問題)を追及する記事を7月から連日のように掲載。これを受けて自民党は県議会で調査委員会を設置、泉田知事や県担当職員を追及した。問題の経過は、「海運会社の子会社が韓国企業から船を買おうとしたが、途中で速度未達であることが分かって購入を中止。これに対し韓国企業は仲裁機関に提訴、1億6000万円の損害賠償の支払いを命じたが、新潟国際海運側は応じなかった」というものだった。
『新潟日報』、自民党反泉田派によるネガティブキャンペーン!?
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