エキナカ狭小店舗で「リアル×ネット」の融合を目指す!? アシックスが品川に小さな旗艦店を出したワケ

「品川駅ホーム」という立地の真意は-「訪日客の目を惹く」「みやげ需要」も狙ってか

「駅へのオープン」を印象付ける京急品川駅構内の開店告知

 公式に語られている出店理由はここまでであるが、実際のところ、品川駅のホーム上という、スポーツ用品店が絶対出店しないような特異な場所にあえて出店した一番の理由は「世界中の人の目に留まるアシックスの広告塔」を目指したからであろう。  京急品川駅ホーム上への出店は、駅ビル内への出店に比べて出店費用も安く抑えられるうえに、品川駅は羽田空港へアクセスする客が多く通過する駅であるほか、新幹線駅も併設されており、さらには将来的にはリニア中央新幹線の乗換駅としても機能するため、限られた店舗面積ながらも全国各地からの旅行客、そして世界各地の訪日客の目を惹くことが可能なものとなる。  旅行中は得てして財布の紐も緩みがちなものである。実際にアシックスステーションストア品川で接客を行っていた店員に伺ったところ、オリンピック効果もあり、日本国内外を問わず記念に土産として商品を買い求める観光客も多数いるとのことで、滑り出しは上々のようだ。  東京オリンピックに向けてスポーツ熱が高まる東京都心。アシックスステーションストア品川では、今後は10月には都内で開催されるテニス大会「楽天ジャパンオープン2016」に合わせた商品展開を行うほか、現在の赤を基調とした外観も10月以降は緑を基調とした外観に一新されるといい、狭い店舗ながらも、月ごと店づくりの変化は、毎日の通勤で品川駅を利用する人たちにとっても目を楽しませてくれるものとなるであろう。 <取材・文・撮影/都市商業研究所> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」 ※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・プランタン銀座、2017年3月より「マロニエゲート銀座」に統合スターバックスコーヒー、山口市に出店へ-全県庁所在地への出店果たすサークルK・サンクス、約1000店を閉店へ-残る店舗はファミマに転換
1
2
3