「窓」の違いが死を招く!? 家と健康の深いつながり

「アルミサッシ」は諸外国ではほとんど使われていない!

平成25年度基準の、Bの部屋でも窓の結露は多い

 体感ショールームのさまざまな施設の中で目玉となるのは、冬の断熱性の違いを体感できる5つの部屋だ。冬の外気温を想定して、−5℃~0℃に冷やされた巨大冷凍庫の中に、窓と断熱材の異なるAからEまで5つの部屋を設置。さらにそれぞれの部屋の中は、エアコンで暖めた部屋と、エアコンのない部屋とに分けられている。Aは20年以上前の一般的な断熱仕様(壁・床・窓)の部屋で、最も断熱が弱い。Eは、欧州レベルの高断熱仕様の部屋となっている。  まずはBの部屋(2番目に寒い)に入室する。ここは、「平成25(2013)年基準」という、日本では比較的新しい断熱仕様だ。窓はペアガラスだが、サッシ(窓枠)はアルミで結露も多かった。室温そのものはエアコンがかかっているので寒くはない(20℃程度)ものの、足元は冷える。温度差の違いをエアコンで埋めているが、いろいろ課題があるようだ。日本で一般的なアルミサッシだが、諸外国ではほとんど使われていない。欧米だけでなく、韓国などでも窓のサッシは多くが熱を伝えにくい樹脂製(プラスチックの一種)が主流になっている。  次に、YKK APが推奨するレベルであるDの部屋に入る。窓はここでもペアガラスだが、サッシは樹脂だ。結露はBの部屋と比べるとほとんど見られない。エアコンはかけているものの、もともとの部屋の温度が暖かいので、天井と足元の温度があまり変わらず、下から伝わってくる冷えがなく快適だ。それでも、エアコンのない部屋に入るとさすがに室温は16℃程度で、多少寒さを感じた。
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低レベルな日本の断熱基準
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