いわゆるポケノミクスも、株式市場が最も盛り上がったのは、アメリカでのブームが話題になってから日本でリリースされるまでの期間だった。PSVRも発売が近づくと関連銘柄が買われることが考えられるという。
「ポケノミクスと同様、発売されると相場はいったん終了するので、それまでに取引を終わらせておきましょう」(藤井氏)
一方、中長期的に見ると、市場規模が大きいのはARだと飯村氏は指摘する。
「ARの技術を短期的に収益化できる銘柄はまだ多くありませんが、現実と重ねられるぶん、活用範囲は広いでしょう。当面はエンタメ分野が有望で、例えばポケモンのように既存の位置ゲームのメーカーがサンリオやディズニーなどと組んで人気キャラクターをゲーム化するようなことができれば、大相場も期待できます」
いずれにしろ、大化けを狙うなら任天堂やソニーなどの大型株よりも、値動きの軽い中小型株に投資するのが効率的だ。藤井氏と飯村氏がそろって本命に推すのは、PSVR向けソフトに技術提供するCRI・ミドルウェアだ。また、VRに特化した部署「VR部」を設置し、VR採用面接体験などゲーム以外の分野にも実績があるカヤックも注目だという。
「いずれも株価の過熱感が収束して、買いやすい水準です」(飯村氏)
藤井氏は、ソニーの高機能・高精度ARエンジンを販売するサイバネットシステムや、描画に必要なVRレンダリングエンジンを手掛けるシリコンスタジオも本命の一角と見る。
とはいえ、関連銘柄の多くが上場するマザーズ市場の値動きはこの春から低迷しており、目下のところは儲けやすいとはいえない。
「マザーズ指数が天井をつけた4月にジャンピングキャッチをした投資家の信用取引期限が10月にやってきます。そこまでに投げ売りが一巡して上値が軽くなることも考えられる。失敗を防ぐには必ずチャートを見て、株価が25日移動平均線より上にあるときに投資し、万一、25日線を下回って移動平均線自体も下向きならすぐに損切りすることです」(藤井氏)
長期でじっくり市場の回復を待てるなら、5倍や10倍も十分期待できるというが、それでもほったらかしは禁物だという。
「最近は決算発表時の暴落が多いので、長期で持つ場合は面倒でも発表5日前には手放して、発表後に買い戻すのが安全です」(同)
飯村氏も、市場環境が好転するまでは、欲張らずに早めの利益確定を心掛けるのがコツだと話す。
「とにかく高値掴みを避けること。底値を狙うなら、25日移動平均線を割り込んで75日線で反発したタイミングが狙い目です。利益確定は過去の高値にこだわりすぎず、25日線の手前まで上昇したら手放す手堅い戦略で臨みましょう」
そうはいっても、ARもVRも息の長い投資テーマであり、なんらかのリリースが出るたびに関連銘柄が吹き上がる可能性が高いという。チャンスはいつ訪れるかわからないので、ニュースが出たらすぐに買い出動できるよう、あらかじめ候補銘柄をピックアップしておくのがおすすめだ。
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