米利上げは近づいた? ジャクソンホール会合から9月を「読む」

注目は9月2日の雇用統計

 イエレンFRB議長の講演、フィッシャーFRB副議長のインタビュー発言があってから、102円台までドル高・円安が進んだ。  ジャクソンホールの後、CMEグループのFedウォッチ・ツールによる9月利上げ確率は8月26日に33%まで上昇した。しかし、8月29日時点では、Fedウォッチ・ツールによる9月利上げ確率は33%から21%へ下がった。上げ・下げの変動が大きい。2日間の動きだけでは判断できない。9月2日の雇用統計発表後に、また、Fedウォッチ・ツールによる9月利上げ確率が大きく変動する可能性がある。  そして、注目すべきは9月2日の雇用統計だ。  市場のコンセンサスは、「8月非農業部門雇用者数変化前月比」が前回25.5万人、今回予想18.0万人となっている。また、「8月失業率」のコンセンサスは、前回4.9%、今回予想4.8%となっている。  非農業部門の新規就業者数が、景気の力強さを示すとされる20万人程度の水準に届くかどうかが焦点となるとされているが、20万人に大きく届かなかった場合は、利上げが遠のく。その場合は、円高へ。逆に、20万人クリアであれば、9月の利上げが現実味を帯びる。円安となるだろう。  いずれにしても、9月2日の米雇用統計発表後には、金融市場は上げ・下げの混乱が予想される。
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9月の「メインイベント」は20日
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