小池都知事が築地市場移転に「結論を出す」と明言。その行方は?

 小池百合子都知事が早ければ今週にも、築地市場移転に関して何らかの決断を下すのではないかとみられている。小池知事の“参謀役”である若狭勝衆院議員が8月28日の報道番組に出演した際、「(知事は築地市場移転について)今週中に緊急記者会見をして、この問題について結論を出すと思う」と明言したのだ。

築地関係者の多くは「これで年内移転はなくなった」と歓迎

小池百合子東京都知事

 8月5日、小池知事は初の定例記者会見に臨んだ。選挙中は築地市場移転について「一旦立ち止まって考える」と訴えていたにもかかわらず、移転延期をすぐには宣言しなかった。都政刷新を掲げて圧倒的支持を得た小池知事だが、就任早々、都議会自民党議員や都庁幹部など“守旧派軍団”の分厚い壁にぶちあたっているようなのだ。  小池知事が初登庁した8月2日には、都庁1階で「豊洲移転100日カウントダウンイベント」の写真展が開かれていた。主催する担当課の東京都中央卸売市場に「小池知事の方針と食い違うのではないか」と問い合わせると、「(知事は)豊洲移転を延期するとは言っていない」と回答。  しかし小池氏は7月22日の築地での街頭演説でこう訴えていた。 「土壌汚染の安全性の確認、豊洲の様々な使い勝手の問題などについて、移転をする人の納得をいただく。そのためには、一歩立ち止まって考えるべきだと思っております」  そして小池氏は演説後、築地関係者で組織する「躍進する市場の会」代表の関戸富夫氏から「開場予定日を見直して下さい」との要望書も受け取ってもいた。築地市場では、仲卸の8割以上が移転撤回・延期を求めている。関戸氏は「11月7日の延期はもちろん、築地での営業継続が可能になる抜本的見直しに踏み込む決意表明と受け取りました」と期待している。  土壌汚染の安全性の確認や築地市場関係者の納得には、数か月単位の時間を要するのは確実。要望書を手渡した関戸氏が「これで年内の移転は無くなった」と安堵したのはこのためだ。
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強気で豊洲移転を進める姿勢の東京都
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