そう言ってK氏が見せてくれたのはポンド売りのトレード例だ。
「6月にEU離脱を決定するとポンドは急落しました。その後、一旦は反転したものの8月に英中銀が利下げに加えて金融緩和を発表すると、ポンド売りが急増して再び下げ始めました。このときのチャートが左下のもの。対円を除き、いずれもポンド安が明確でした。ここから『相場の主役はポンド売り』と判断できます。次に大切なのは通貨ペア選び。ポンドが売られていても、通貨ペアの相手となる通貨も売られていると値動きは出にくい。ポンド絡みの通貨ペアのなかで『最も買われている通貨』を選びます。今回はポンド/豪ドルが“最もポンド安が明確なチャート”となっていました」
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ポンドは本当に売られているのか、複数の通貨ペアで確認。ポンド売りが相場の主役となっていることを確認したら、下落幅が最も大きい最大効率を狙える通貨ペアを探す。今回の場合、対豪ドルでもっともポンド安が顕著だった
8月初旬は原油買い戻しの流れがあり、資源価格とも連動しやすい豪ドルが堅調だった。結果、ポンド売りのトレンドが顕著となり、1週間ほどで700pipsも下落。ちなみに同期間、対ドルでの下落幅は約400pipsだ。
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移動平均線などを参考にしながらトレンド途中の反発局面ではポジションを積み増して利益の最大化をめざす
「普通はポンド取引といっても対ドルや対円、せいぜい対ユーロくらいでしょう。でも、こうやって通貨ペアを選ぶと、最大効率を狙ったトレードできるんです。あとは資金管理。多少の反発では基本、決済せず、押し目・戻りでむしろ積み増していきます。同時に損切りの位置も動かして、トレンドが転換するまで利益を伸ばしていくんです。あとは『○○pips以上反転したら決裁』など値幅を決めて決裁するだけ」
K氏がチェックするのは米ドル、円、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドルの8通貨。それぞれを組み合わせると28の通貨ペアになる。面倒に思えるが、大きなトレンドに乗れるので、のんびり派の会社員には最適。ぜひお試しを!
【兼業トレーダー K氏】
大学在学中からFXを開始。卒業後も仕事の傍らFXを続け、スウィングトレードで成功。その実力は多くの有名トレーダーも認めるところ。
「為替市場は歪まない|経済指標と金融政策で勝つFX攻略サイト」
取材・文/高城 泰(ミドルマン) 図版/ミューズグラフィック