トーハンの経営参加、八重洲の再開発に光明を見出せるか?
第40期決算公告:6月13日官報88頁より
当期純損失:△1億3060万円
利益剰余金:29億6984万円
過去の決算情報:詳しくは
こちら http://nokizal.com/company/show/id/1422790#flst
このように誕生し、現在でも都内有数の老舗の大型書店として東京駅前で存在感を放つ八重洲ブックセンターですが、2016年7月、出版取次大手
トーハンから49%の出資を受け、新体制に移行しています。なお、トーハンは2013年に阪急電鉄系の
ブックファーストも子会社化しています。また、
2008年には丸善が、2009年にはジュンク堂が
大日本印刷の傘下に入っており、この20年間で市場が4割縮小したと言われる出版不況の影響は書店業界にも直撃しています。
ただ、ブックファーストは阪急電鉄から完全に離れましたが、八重洲ブックセンターと鹿島はそうではありません。また、八重洲ブックセンターのある東京駅前の八重洲二丁目は、今後大規模な再開発が計画されており、23年度の竣工を目指して、地下4階地上46階高さ240mの巨大複合施設が誕生する予定です。その準備組合には鹿島も参画しており、かつての「夢の本屋」は物語を今後も紡いでいけるのか、老舗の意地を見てみたいところです。
決算数字の留意事項
基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。
【平野健児(ひらのけんじ)】
1980年京都生まれ、神戸大学文学部日本史科卒。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの『
SiteStock』や無料家計簿アプリ『
ReceReco』他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業、全国の企業情報(全上場企業3600社、非上場企業25000社以上の業績情報含む)を無料&会員登録不要で提供する、ビジネスマンや就活生向けのカジュアルな企業情報ダッシュボードアプリ『
NOKIZAL(ノキザル)』を立ち上げ、運営中。
<写真/
Ryohei Noda>