8月中に日本株は1万8000円になる
2014.07.25
今年も後半に突入! 多くのアナリストがすでに今年に対し弱気のなか、SMBC日興証券のチーフテクニカルアナリストの吉野豊氏は今夏を逃してはいけない、と語る。そのワケとは?
「日経平均の上昇シグナルが久しぶりに灯りました」
そう話すのは、SMBC日興証券のチーフテクニカルアナリスト吉野豊氏だ。アナリストの人気ランキングでトップ3常連であり、一目均衡表を使わせたら日本屈指の腕前を持つ相場予測の猛者である。
「去年の年末は『1万8000円なんてすぐだ』と皆が強気でした。大勢の見通しが一致するときは得てして逆に行くもの。今年前半もそうなりました。弱気に転じてしまった人もいますが、私は強気の旗はおろしませんよ。日経平均は夏場から10月にかけて1万8800円を目指すと見ています」
強気の吉野氏だが、今年前半の膠着した相場を見る限り、1万8800円ってかなり遠い水準に思える。本当に大丈夫なのだろうか?
「たしかに今年の日経平均が棒上げするとは思いません。日経平均は1昨年に23%、昨年は57%上昇し、2年通算で93%も上昇しました。2年続けて2ケタの上昇率で、かつ50%以上も上がったケースは過去に8回ありますが、3年目も2ケタの上昇となったのは1987年だけです。その1987年も10月まで上昇した後に、ブラックマンデーで急落。3年連続で大幅上昇するケースは極めて少ないんです。ですから、夏場から10月にかけて1万8800円の高値をつけ、そこから大きく調整する、というのが私の見方です」
今年トータルで見ると弱いが、夏から秋までは強い、というシナリオだ。
「足元ではかなり強い上昇シグナルが出ています。ひとつはチャートパターン。日経平均は『下降ウェッジ』と呼ばれる下向きの三角形を形成しています。これは弱気パターンに見えますが、三角形を上に抜けた時には強い上昇を示唆するシグナルなんです。5月下旬以降、三角形を上抜けしました。週足の一目均衡表では分厚い雲がしっかり下支えしてくれていますし、もうひとつ、東証REIT指数もポイントです」
ん? なぜREITが?
「東証REIT指数は日経平均に対して2、3か月先行して動く傾向があります。2012年の日経平均上昇でもREIT指数が先行して上昇していました。東証REIT指数は春先から上昇を再開しており、6月には昨年末の高値を抜けたんです」
2~3か月後には日経平均も昨年末の高値1万6921円を抜いてくる可能性が高そう。さらに日経平均上昇のシグナルは目白押しだ。
「6月に入って日足の雲や重要な節目だった1万4800円も上抜けました。いよいよ『2020年日経平均3万円』へ向けた日本株の上昇シナリオが再開したようです」
アベノミクス第二幕はすでに始まっている可能性が濃厚。この上昇局面をとりこぼさないために何をすべきか。さらに聞いていこう。
【吉野 豊氏】
SMBC日興証券チーフテクニカルアナリスト。アナリストランキングではトップ3常連とプロからの評価は高い。共著に『FXドリームチームが教える為替の鉄則』
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