昭和の喫茶店カルチャーを作ったアマンド――創業70年目の逆襲

2012年からはキーコーヒーの傘下、最近は新業態もオープン

 このように、喫茶店や洋菓子というカテゴリのみならず、六本木や若者の文化を牽引したアマンドでしたが、バブルの終焉や新しいタイプのコーヒーチェーンの台頭により、現在は喫茶2店舗ショップ6店舗ほどに縮小、2012年からは長年取引相手であったコーヒー販売大手のキーコーヒーの傘下となりました。ちなみに、キーコーヒーは2005年にもイタリアントマトを傘下に収めています。 第4期決算公告 6月1日官報75頁より 当期純損失:△1281万円 利益剰余金:△1億165万円 過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1328898#flst  なお、そんなすっかり老舗の喫茶店となったアマンドですが、創業70周年を迎えた今年の夏、創業の地新橋に新業態「Café de ALMOND」をオープンしています。アマンドの全盛期を知る方も知らない方もお近くに行かれた際は足を運んで、アマンドピンクに囲まれながら、時代の変遷に思いを馳せてみてはいかがでしょうか? 決算数字の留意事項 基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。 【平野健児(ひらのけんじ)】 1980年京都生まれ、神戸大学文学部日本史科卒。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの『SiteStock』や無料家計簿アプリ『ReceReco』他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業、全国の企業情報(全上場企業3600社、非上場企業25000社以上の業績情報含む)を無料&会員登録不要で提供する、ビジネスマンや就活生向けのカジュアルな企業情報ダッシュボードアプリ『NOKIZAL(ノキザル)』を立ち上げ、運営中。 <写真/Christian Kadluba
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