幸運なことに、同校のカレーを食べる機会に恵まれた。取材時にカレーを頼んでいる生徒を観察してみたが、その際は日本人ハーフの生徒と白人のハーフ、生粋のタイ人生徒が2組程度注文しているだけだった。店側もわざわざルーを輸入食材店から仕入れているが、まだ手鍋程度の量で様子を見ている状態だ。
実際、カレーライスの注文はまだそんなに多くはないようだ。しかし、店員曰くは徐々に注文数も増えており、期待できる新メニューなのだとか。
食べ方はタイ式で、スプーンとフォークを使う
味はカレールーを使っているので決して悪くはない。ただ、辛くはない。味の薄さはまるで日本の学校給食で、昭和生まれの日本人には懐かしさを感じるテイストだ。一丁前に薄っぺらなトンカツもあって、カツカレーにできるのは大したものである。
この店舗ではほかにサバの照り焼きなどもあるがまったく注文されている様子が見られない。ほかの店はタイ料理ばかりで、外国のものといえばフライドポテトやサンドイッチくらいだ。
鉄板があり、メニューにも鯖テリヤキやお好み焼きもあるが、ほとんど注文が見られない。大半がタイ料理の受注になる
そんな中に突如登場した日本式カレー。まだまだ食に関しては保守的なタイ人だが、幼稚園併設の学校にカレーが登場したことで小さいときから食べ慣れれば食の好みも国際化されることに期待が寄せられる。しかし、その道のりはまだ始まったばかりだ。
<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:
@NaturalNENEAM)>