高齢化社会型人材サービス企業「キャリア社」がIPO。今後のポテンシャルは?

キャリア社の今後を左右するファクター

【高齢者の就業状況】  内閣府の「平成27年版高齢社会白書 4 高齢者の就業」によると、男性の就業者の割合は、55~59歳で89.7%、60~64歳で72.7%、65~69歳で49.0%となっており、60歳を過ぎても、多くの高齢者が就業している。また、不就業者では、60~64歳の不就業者(27.3%)のうち3割以上の人が、65~69歳の不就業者(51.0%)のうち2割以上の人が、それぞれ就業を希望している。また、女性の就業者の割合は、55~59歳で65.0%、60~64歳で47.3%、65~69歳で29.8%となっている。すなわち、アクティブシニアの就業者の割合は高い一方、就業を希望するアクティブシニアが一定の割合で存在している。  有効求人倍率が上昇傾向、完全失業率の指数が低水準に留まるなど、雇用情勢は改善傾向に推移していることから、アクティブシニアの就業のマッチングを促すキャリア社の「高齢化社会型人材ビジネス」の事業環境は良いと言える。 【アクティブシニアの就業の課題】  キャリア社は、「新規上場申請のための有価証券報告書」(※PDF)の中で、事業の対処すべき課題として、“現状、多くの業界や各企業においてはシニア人材の活用を敬遠する傾向にあることは否めません。”と、はっきりと記述している。まだまだ受け入れ体制や、労働環境の整備、単純な双方の理解不足など、企業側とのミスマッチによる、就労機会の未発掘が多く存在するようだ。平たく言えば、「ちゃんと働けるの?今の業務フローで大丈夫?人事制度は?いままで若い人でやってきたし……」(参照:キャリア社Web サイト )という企業側の懸念はいまだに残っている。  同社は、上記課題に対して、シニア活用コンサルティングにより、シニアでも対応可能と考えられる業務を抽出し、業務分析及び業務フローの改善提案を行っている。業務分析と実際の就労状況をノウハウ・実績として蓄積し、アクティブシニアの高い就業率を図るとしている。  また、高齢化社会のもうひとつの大きな課題のひとつとして、医療、介護労働力の不足(2025年に、介護士が38万人不足)があるが、キャリア社では、この人手不足の医療、介護市場にたいし、看護師、介護士等の人材の提供を行う事業を拡大するとしている。
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増えるアクティブシニアに活躍の場を
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