なぜ「七星」は、敢えてバンコクの「日本ラーメン標準価格」を下回る破格の料金でラーメンを提供しているのか? その鍵は、同店に「エアコンがない」ことにある。
オープン当時の日本人担当者に聞いたところ、「タイ人のために開いた店です。今後も事業は拡大していくつもりですが、屋台などで展開して、タイ人が気軽に食べられ、気軽にフランチャイズとして開業できる店を目指しています」というのだ。
タイ人とのFC契約をメインにするため、料金設定のほか、屋台でも展開できるようになっている
なるほど、タイ人にも馴染める価格で提供し、いずれはタイ人によるFC展開を見越して、店舗設計もコスト減を目指していたのである。
2016年6月現在、「七星」はバンコクに3店舗を構える。1店舗が6月にオープンしたばかりのフランチャイズ(FC)で、ほか2店は直営となっている。ただ、そのコメントで語っていたタ人FC契約はまだ獲得できていない。
今年5月にオープンした「七星」のタイ初のFC店の経営者である後藤俊行氏に話を聞いてみた。後藤氏はバンコクで「ウッドボール」というバーを数店経営し、在住日本人では知らない人はいないというほどの有名人であり青年実業家である。後藤氏は「七星」のFCに進出した理由として「七星の魅力は濃厚で癖になる鶏白湯スープ、そしてなにより価格」だと語る。