文科省が推進する総額2500億円のムダ事業――チリも積もれば山、の典型

次の学習指導要領に武道必修を継続的に盛り込むのは既定路線

 さて、文科省は次の学習指導要領を東京五輪の開催される2020年度に小学校から順次実施することを表明しました(中学校は2021年度から)。これにより次回の学習指導要領は2016年度中(来年3月まで)にも改定内容が答申される見込みとなりました(産経新聞 2015年8月6日付)。  中学校武道必修について中央教育審議会(中教審)は次の答申に継続的に盛り込んでくることは確実です。何故なら武道必修は中教審自身が世に送り出した教育政策であり、その中教審が現状の教育を否定するはずがないからです。そうでなくとも第一次安倍政権肝煎りの政策が、現・安倍政権下で否定されるはずがありません。武道場整備は遅れが目立ちますが、整備率100%達成は次の学習指導要領が実施された以降の長期的な課題として引き継がれていくものと思われます。  ですので、学習指導要領が改訂され、武道場整備促進の継続が既成事実化する前に、少しでも早く、中学校武道必修化の費用総額を明らかにした上で世論を喚起し、その是非を問いたいというのが本稿連載執筆のひとつの大きな理由となりました。  次回は武道場整備費が2500億円に及ぶ最終的な根拠と、いかに高額で無駄な費用であるかについて言及します。 <取材・文/磯部晃人(フジテレビ)> 【中学校武道必修化の是非を問う 連載第3回】
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