「え、この上司怒ってる?」。微表情がわかれば「次の一手」を間違えない

 最初に上司の気持ちについて説明します。最初のリアクションのときの上司の眉を見ると、眉が下がっているのがわかります。眉が下がるという動きは、多くの場合、怒りと理解される傾向がありますが、熟考中の場合もあります。次のリアクションでの上司の眉も下がっています。最初の表情と異なる点は、表情筋の関わるパーツが増えているところです。眉が下がるだけではなく、目が見開き、唇に力が入れられています。

上司は怒っているのか頭をフル回転させているのか?

 結論から言いますと、最初のセリフのときの上司は、熟考中の可能性が高く、次のセリフのときの上司は、怒りの可能性が高いと考えられます。  それは、表情筋のコンビネーションの数と感情の強さとは正比例するという原則があるからです。  怒り表情の典形は、「眉が下がる+目が見開く+唇に力が入る」というものです。この表情の特徴が揃えば揃うほど、怒り感情の強さが増す、ということです。上司の最初の表情は、「眉が下がる」だけでしたが、次の表情は、「眉が下がる+目が見開く+唇に力が入る」です。そこから前者の上司の気持ちは、弱い怒りか、熟考、後者の上司の気持ちは、怒り感情の可能性が高いと判断できます。  しかし、厳密には上司の最初のリアクションが、弱い怒りなのか熟考なのかはわかりません。弱い怒りを感じると、怒り表情に関わる表情筋の一部のパーツのみーここでは、眉の引き下げーが発現するからです。この現象を微細表情と言います。微細表情とは、感情を抑制したとき、もしくは弱い感情を感じているときに、瞬間的にもしくは数秒間にわたって顔の一部に表れる限定的な表情筋の動きのことです。微表情とは異なり、瞬間的な動きとは限らないところがポイントです。話を戻しますと、こうした弱い怒りという可能性はあるものの、部下の説明にすぐにイライラする上司は稀でしょう(瞬間湯沸かし器のようにすぐに怒りを爆発させる上司もいないとは言いませんが…)。
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「熟考顔」に気付いたらどうすればいい?
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