クチンスキーが大統領になって、この先ペルーはどうなるのだろうか?
経済については、昨年は経済に落ち込みがあって3.4%の成長に留まったが、2002-2013年のペルーは6-7%の成長をして来た。また貧困層も2001年の55%から2014年には22.7%まで減少するなど、上向きになっている。(参照:「
Nuevatribuna」)
また、輸出の鉱物資源である金が銀の価格は安定している。クチンスキーもフジモリも右派で経済政策には余りに違いは存在していない。その点で、経済政策はフジモリだろうがクチンスキーだろうが大きな差はなく安定していくかもしれない。
しかし、クチンスキーの大統領としての前途は容易ではない。
最大の課題は、治安問題の重要度が増していることだ。クチンスキーにとっては、これから治安問題の解決が重要となってくる。しかし、一院制の130議席の議会でフジモリ派が73議席を有しているのだ。クチンスキーが率いる政党は僅かに18議席でしかない。つまり、クチンスキーはフジモリ派の支持なくしては如何なる法案も議会で可決出来なくなるという困難を伴う政権の運営が必要とされているのだ。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。