楽天がeコーマスの営業を8月末まで続けると決めたのは〈法的に問題なく円満に従業員を解雇するためである〉という。(参照:「
20minutos」)
この辺は、やはり従業員を大事にする日本企業の精神が宿っているのだろうか。しかし、失業率の非常に高いスペインで、企業が最後まで従業員を世話するということは日本で想像できない程に良い企業イメージをつくる為の大事なことである。撤退するがよいイメージを残すのは決して悪くはないだろう。
今後の楽天は、ドイツとフランスに営業を集中するという。その理由は、アマゾンはヨーロッパの主要国で高い市場占有率を誇っているが、ドイツとフランスはスペインや英国でのアマゾンの市場占有率よりも低く、そこに楽天はまだ成長の余地はあると見ているようだ。
スペインでの失敗を教訓に、奮闘を期待したい。
<文/白石和幸 Photo by
@Kmeron for LeWeb12 Conference via flickr(CC BY 2.0) >
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。