障がい者の力をかりた「農福連携」で、耕作放棄地を再生

田中裕司
 農業の担い手不足解消と、障がい者が活きいきと働ける場の拡大につながる「農福(農業・福祉)連携」の動きが注目を集めている。そんななか、自然栽培(無農薬・無肥料栽培)農法で農福連携に乗り出す障がい者施設が増えている。

農業と福祉の連携で1万ヘクタールの耕作放棄地を再生

苗の切り取り作業に汗を流す福祉作業所のメンバーたち。農家にとって人手不足の農作業をスムーズに進める頼もしい存在だ

 昨春、愛媛県や愛知県などの5施設が「農福連携自然栽培パーティ全国協議会」を結成。この1年で、北海道から沖縄までの27施設が参加するネットワークに成長した。コメ作りと野菜作りで耕作放棄地の再生をめざし、連携を深めている。農福連携の全国組織は初めてのこと。

 現在、日本国内には約40万ヘクタールの耕作放棄地がある。埼玉県とほぼ同じ広さだ。この2.5%にあたる1万ヘクタールの再生をすすめる。

 こうした動きが活発化するなか、自然栽培農法の先進地・愛知県豊田市で5月20日、自然栽培パーティとヤマト福祉財団共催による第1回全国フォーラムが開かれた。会場は、農業・福祉・流通の関係者、市民ら約500人で埋まった。フォーラムは前半、スクリーンを使いながらユーモアを交えて各団体の活動を紹介、たびたび会場から笑いを誘った。

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障がい者以外にも開かれた場所

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希望のイチゴ

難題に挑む農家・野中慎吾の、試行錯誤の日々を描く

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