創業嘉永2年。老舗「山本海苔店」を守ってきた百年前の「家訓書」とは?

日本初のドライブスルーは山本海苔の海苔販売だった

 初代が創業、2代目で躍進した山本海苔店、大正12年(1923年)には関東大震災が発生し、魚河岸は日本橋から築地へと移りますが、山本海苔店は日本橋にとどまって商売を続けます。というのも、この頃になると海苔の需要の中心が業務用からご進物用へと変化していったためです。戦前にはデパートに出店していなかったため、御歳暮の時期になると、竹の囲いで通路を作って行列をさばくほどの来店があったそうです。  一方で、大正5年(1916年)頃には、日本経済の発展に歩調を合わせて、国内のみならずハワイや米国本土にも積極的に輸出を行うなど、3代目以降も新しいことに取り組む姿勢は維持されていたようで、その後も寿司や蕎麦の付属品ではない海苔を目指して、具材を海苔にまぶした「一藻百味」や「おつまみ海苔」といった新商品の開発も行っています。  そういった後の時代の取り組みの中でも、ユニークなのは昭和40年(1965年)に日本初となるドライブスルーを作ったことですね。米国を旅行した役員がモータリゼーションの時代の到来を確信して、海苔も車に乗ったまま買えるように設置したというこちらは、現在はビルの建て替えのため撤去されたそうですが、写真を見るとなかなか、アグレッシブな顧客導線を感じさせますね(笑)。 第97期決算公告:4月20日官報91頁より 当期純損失:△10億9993万円 利益剰余金:21億5029万円 過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1662030#flst
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代々の当主が受け継ぐ、創業者の名前と門外不出の家訓書
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