北朝鮮が育成する海外エリートたちの素顔

2種類の「北朝鮮留学生」

 まず、北朝鮮から来る留学生は2種類に大別できる。ひとつは、学力の優秀さを国に評価され国家代表として留学してくるエリートたち。もうひとつは、両親が国外で貿易や外交業務に従事していて、家族総出で国外生活をしている人たちである。 北京市内の朝鮮留学生は400人程度で、比率で言うと前者が少し多い程度。彼らは等しく北朝鮮出身の留学生でありながらその性質は大きく異なる。国家を代表して留学している前者は、非常に閉鎖的で外部(他国の留学生など)との接触を極力避ける傾向にある。またインターネットや対外活動に関しても消極的で、奨学金以外に金銭的なバックアップもないので暮らしぶりは質素なものだ。大使館からの指導も厳しいので、問題を起こしたくないのだろう。  しかし、後者の学生達は一般的にイメージされる北朝鮮の姿を間違いなく覆す。彼らは外交官や海外勤務に就く親のもと、幼い頃から海外で育ち、自国にいるだけでは得られない国際感覚を獲得した若者達である。それは、難しい状況に置かれた祖国とのあいだでより洗練されたものになっていく。オープンに交流してくれる学生は大抵この後者に属しており、筆者が日常的に付き合っているのも彼らである。
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日本のアニメを楽しむ北朝鮮の留学生たち
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