「地域経済分析システム(RESAS)」は、自治体による人口ビジョンや地方版総合戦略の策定だけでなく、一般の個人にも非常に役立つシステムであると、筆者は考える。
まず、「産業マップ」「地域経済循環マップ」「農林水産業マップ」「観光マップ」「人口マップ」「消費マップ」「自治体比較マップ」を見ることで、基本的な情報収集に役立つ。
次に、上記マップを利活用して、「誰でも仮説を持てる!」と、筆者は主張したい。
以前、本サイトでお伝えした「
「次元を超えた」姉妹都市提携が実現。鳥取県倉吉市の地方創生」で、2016年4月1日、鳥取県倉吉市は、コナミデジタルエンタテインメントが運営するウェブ連動音楽配信事業『ひなビタ♪』の舞台となっているインターネット上の地方都市、倉野川市と姉妹都市提携を結んだことを発表したことを紹介した。
実在の都市と架空の都市との姉妹都市提携は全国初とされ、倉吉市は、今後、連動型の企画などを行い、観光客誘致や地域活性化につなげていくという施策を紹介した記事だ。
そこで、この施策の可能性を検証すべく、筆者が「RESAS」を使って、観光客の倉吉市の流入を見てみた。すると、岡山県や島根県など近隣の県からの観光客が主であり、東京など首都圏からの観光客が少ないことがわかった。
RESASより
「地域経済分析システム(RESAS)」により、東京など首都圏からの観光客が少ないことが課題であるという認識から対応策を考えていけるだろう。羽田空港から鳥取空港あるいは米子空港へ来訪した観光客が、倉吉市も訪れる施策が求められ、具体的な施策を考えていくことが可能になるだろう。
このように、個人でもRESASを活用することで統計を活用した仮説を立てられるようになるのだ。これはかなり有意義なことではないだろうか。<文/丹羽唯一朗>