2016年度のパソコン需要は、13年度に発生したOS入れ替えに伴う特需の反動から抜け出し、回復局面に向かうと予想される。通期では957万台、前年度比は3.4%減と微減を見込むが、法人市場は2.1%増と成長を見込んでいるという。
こうしたPC市場の鈍化の背景には、個人市場では、スマートデバイス活用によりパソコンの入れ替えが停滞する厳しい状況が続いていることが挙げられている。ただ、各社とも軽薄型モバイルやハイスペック機、またタブレットカテゴリーとなるが、PC、タブレット兼用となる2in1機などプレミアム製品を充実させているほか、DELLが発表した2台目需要を狙った3万円台の低価格モバイルノートもヒットしており、スマートデバイスとの使い分けも底堅い需要として存在する。今後はそのカテゴリが鍵になってきそうだ。
また、同リポートでは、法人市場について、主に企業のセキュリティ対策やクラウド、モバイル活用検討を一層後押ししていく必要があろう分析している。Windowsの開発思想はクラウド・モバイルファーストへ舵を切っており、オンプレ時代の既存アプリケーションや資産活用では移行コスト等課題も多いが、働き方改革など利用方法次第ではメリットも大きい。10月にWindows7のメーカー出荷終了を迎えるが、法人は、あわてて駆け込むのではなく、パソコンを含む端末利用も含めて中期レンジで会社のシステムのありようを展望、相談したうえ、端末の調達を検討する必要があると指摘している。
参照:
「2015年度国内パソコン出荷概要」MM総研
<文/HBO取材班>