EU加盟国国民の間で高まる「反EU感情」。オランダ国民投票でEU・ウクライナ連合協定が反対多数

白石和幸

photo by UP9 via WikimediaCommons

 4月6日、オランダで行なわれた、ウクライナと欧州連合(EU)と包括的に関係を深める「連合協定」の是非を問う国民投票国民投票で、反対票が賛成票のほぼ2倍の差で勝利した。(参照:「BBC」)

 今回の結果に法的な効力はないが、この連合協定は、事実上ウクライナのEU加盟を目指したものであり、過半数以上の国民が反対していることは政治的に無視できないという結果になった。そして、今回の結果を受けて、ウクライナが2020年にEU加盟を目指しているが、それが実現ができなくなる可能性が強いということになった。と同時に、それはロシアを完全に包囲することを望んでいる米国にとってもウクライナのNATOへの加盟が難しくなったということになる。

EU諸国首脳陣にとって重要なウクライナ

 米国はもともと旧ソ連が崩壊する以前からウクライナを欧米圏に組み入れることを望んでいた。カーター大統領の政権で国家安全保障議会のメンバーだったブレジンスキー補佐官(当時)が〈「ウクライナを領土に持たないロシアは大国にはなれない。しかし、ウクライナをロシアが加えると帝国になる」〉と指摘していたように、欧米圏にとってロシアがウクライナを自国の領土として加えることは絶対に阻止せねばならないことなのである。(参照:「El Pais」)

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EU加盟国国民の間で高まる反EU感情

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