どうしても会わなくてはいけなかった男――シリーズ【草の根保守の蠢動 特別編】

菅野完
 夜中に電話で叩き起こされる。

「加藤先生の件、残念ながらもう無理です。残念ですが、菅野さん、もうきっぱりとあきらめてください」

 この種の電話をもらうのはこれで2回目だ。日本会議を追いかける本連載がスタートしたのは昨年2月。その間、大量の資料を漁り、たくさんの人にインタビューを重ねてきた。その中でどうしても会いたかった、いや、会わなければいけない人物が2人いた。

 村上正邦と加藤紘一 ――この二人を避けて、日本会議は語れない。

 村上正邦には会えた。長時間にわたるインタビューの一部を基にしたものが、本連載の番外編第5回だ。しかし、あれは村上さんから聞けた貴重な証言のごく一部でしかない。まだ文字化していない重要証言がいくつもある。しかし筆者はそれをどうしても文字化できなかった。その証言の内容があまりにも深すぎるのも理由としてはある。だが、何よりも、「村上さんから聞けたこの話は、村上さんとは全く正反対の立場から日本会議と対峙していた、加藤紘一の話と対比させないといけない。あの時代の空気はそうしなければわからない」という思いが強かったのだ。

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加藤紘一へのアプローチ

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日本会議の研究

「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか?

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