時価総額はアップル以上! サウジの国営石油企業サウジアラムコ上場へ

サウジアラビアのダーランにあるサウジアラムコ本社  Public Domain

 2016年4月25日、サウジアラビア政府は、2030年に向けた国内経済の改革指針「ビジョン2030」を承認したのは、本サイトでも既に報じた。  上掲記事でも報じたように、「ビジョン2030」では、サウジを国際的な物流拠点にする構想や、外国人労働者の受け入れ拡大などの方針を示し、失業率を現在の11.6%から7%に改善する目標を掲げている。拡大が続く軍備の調達先を「半分以上国内にする」ことも打ち出している。  本記事では、「ビジョン2030」でも打ち出されていたもう一つのプラン、原油安の長期化で財政悪化が進んでいることに対して、石油依存経済からの脱却をおこなうために打ち出された、世界最大の国営石油会社サウジアラムコのIPO(新規株式公開)について検討したい。 (出所:朝日新聞)

世界最大の国営石油会社サウジアラムコ

 サウジアラムコ(Saudi Aramco)は、80年の歴史があり、炭化水素資源の探鉱、生産、精製、流通、輸送、販売における世界的リーダー。サウジアラビア王国の国営石油会社で、保有原油埋蔵量、原油生産量、原油輸出量は世界最大である。  1935年、アラムコ初の試掘井が、サウジアラビアのダンマンに掘られた。過去最大規模の油田開発を実施して以降、アラムコは、一石油企業から総合エネルギー企業へと発展を遂げた。  サウジアラムコが管理する原油などの可採埋蔵量は、民間で最大の米エクソンモービルの10倍になるとされる。 毎日の石油精製量は、エクソンモービルの630万バレルに対して、サウジアラムコは950万バレルである。(参照:サウジアラムコ・コーポレート・レポート (英語) )
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サウジアラムコのIPO(新規株式公開)
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