財政に窮するサウジ。サルマン国王の政治体制も黄信号が

白石和幸

リヤドに次ぐ大都市であるジッダの夜景 photo by esaithy on pixabay CC0 Public Domain

 IMFは昨年10月にサウジが2020年に財政破綻する可能性があることを示唆した。。そのサウジが4月に「ビジョン2030」という国家再生策を掲げて2030年までの経済改革プランを発表した。原油の輸出に依存したこれまでの体制からの脱却を打ち出したのである。果たして、それが実行できるのであろうか。

雪だるま式に赤字が膨らむサウジ財政

 まず「ビジョン2030」の中身を見る前にサウジの現状を見ることにしよう。

BBC Mundo』によると、2015年の財政赤字は980億ドル(11兆2700億円)で、GDPの16%に相当し、失業率は11%と報じている。2014年と2015年と2年連続して財政赤字を記録しているが、その主要な要因は原油価格の大幅な下落とイエメンへの武力介入である。

 サウジの歳入の80%は原油の輸出によるものであるが、今後も原油価格の上昇は期待できそうにない。それに加えて、前述したイエメンへの武力介入はベトナム戦争のように長期化している。更に、武器の購入にも衰えを見せることなく、2011-2015年の武器の購入は2006-2011年に比較して275%増加しているという。(参照:「Publico」)。
 即ち、これからもサウジにとって歳出に増加はあっても、歳入の増加は期待できないということである。

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起死回生の策「ビジョン2030」とは?

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