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再生エネルギーの固定価格買取制度が始まって4年。電力の買取価格は年々下落しているが、今から太陽光発電に投資するのはアリなのか? 太陽光発電の今を追った
4月から電力自由化が始まり、電力会社や料金メニューを自由に選べるようになった一方で、太陽光発電など再生可能エネルギーの拡大に伴い、標準家庭で月675円が電気料金に上乗せされる。これは、474円だった’15年度から実に4割増。再生エネルギーの固定価格買取制度が始まった’12年度から比べると約10倍だ。昨今の原油安で電気・ガス料金は値下がり傾向にあるが、それを打ち消す負担増になりそうだ。
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10kW以上の産業用の買取価格は’12年の40円から年々下がり続け、今年度は24円。これは私たちの電気料金に上乗せされている
その原因は、優遇された電力の買取価格だ。10kW以上の産業用に関しては、20年間にわたって40円で買い取ると国が約束したのだ。これによって、早い時期に太陽光発電を始めた人は約10年で初期の投資コストを回収でき、残り10年は丸儲けという異常な“高利回り商品”ができあがった。その不公平感から、買取価格は年々下がり続けており、今年度は24円。今から太陽光発電への投資は手遅れのように思えるが、自身でもメガソーラー発電をしている実業家、金森重樹氏は「買取価格が高いうちに認定を受けた事業者が、最近、その権利を売りに出してきています」と話す。
「先日、ウチの妻が、36円で買い取りが約束されている権利を買い、北海道江別市など4地域で太陽光発電を始めました。5億円を借り入れて、購入総額は5億6000万円。利回りは約11%で、約13年で元が取れて、20年後には約3億円が儲かる予定です。最近、こういった権利の売買が活発になってきています。高い価格で買い取ってもらえる権利関係を急いで取得したものの、金融機関から融資がつかず着工できないケースがあり、そういう権利を持った業者が売りに出したりしているのです。高い買取価格で始められる権利を買って、今から太陽光発電を始めるのはいいと思います」