熊本県に続きエクアドルもM7.8の地震が! 現地紙から被害を読み解く

国が貧しく耐震構造の建築物はほとんどない

 エクアドルは比較的、地震に見舞われる国であるが、建造物において日本のような耐震構造にはなっていない。多くの建築物は、組積造と呼ばれる構造で煉瓦などを積み上げて行くだけの建築方法である。よって、煉瓦などを積み上げて行くので、地震のような横揺れには全く脆い。今回の地震で倒壊しているビルなどは正にその欠点が脆に露見されている。耐震構造にするには建築費用もより多くかかる。経済の貧しい国で建築費用がより多くかかる耐震構造を採用することは現実的には非常に難しいというのが現状だ。  今回の地震の震源地はエクアドルの太平洋に面した沖合い28km地点の20kmの海底だという。また、それは首都のキトから173kmの地点だという。余震はすでに200回以上続いているという。(参照「El Pais」)  地震の被害は太平洋岸の6つの県にわたっており、その中でエスメラルダ県の人口28000人のムイスネ市では〈建物の50%は倒壊や破損などの被害を被っている〉という。(参照「El Comercio」)。  ペデルナレス市の市長もまた、〈非常に不足しているのは倒壊している建物の下敷きになっている被害者の救助だ〉と語っている。(参照「El Universo」)  首都のキト市は100人の救助隊を急遽被災地に派遺することを表明した。また前出の『BBC Mundo』では〈コロンビアとメキシコの赤十字救助隊も近く現地に赴く〉と報じた。〈コロンビアの45人の救助隊はマンタ市の沿岸地域に向かい、メキシコからは同じく45人が同市に到着する〉と伝えた。  4月22日にはキトで、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ、ペルー、ボリビア、コロンビア、エクアドル、チリ、ガイアナ、スリナムの12か国が加盟している2007年設立の「南米諸国連合(UNASUR)」の緊急首脳会議が予定されている。今回の地震による被害の状況を協議するのが目的だ。<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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