どうだろう? このように国民は日々厳しい生活環境に置かれているのだ。一方、政界ではルセフ大統領を罷免する動きが更に活発になっている。65人の議員で構成される上院と下院で弾劾の審議をするか否かを問う特別委員会は4月11日に弾劾にかけることに賛成38人、反対27人で可決した。近々、先ず下院で罷免の賛否が問われる予定になっている。罷免には下院513議席の3分の2の342議席が必要となっている。主要紙は賛成360議席を既に確保していると予測しているという。 (参照「
ABC」)
ルセフ大統領側も黙っちゃいない。4月11日にテメール副大統領がルセフ大統領が罷免されるのを見込して、大統領に就任する演説まで準備しているといった内容の会話が盗聴されたのが公開されたのを受けて、「この陰謀主犯者は二人いる」と言って、テメール副大統領とクーニャ下院議長を激しく批難したのだ。ルラ前大統領は今も賛成派の切り屑しに奔走しているという。しかしテメール副大統領にも汚職事件に絡んでいるとして同様に特別委員会で審議にかけられることになっている。
2020年東京オリンピックのグダグダ具合は凄まじいものだが、ブラジルに関しては直前に至って国政から経済まで惨憺たる有様になっているようだ。
<文/白石和幸 photo by Ricardo Stuckert (Presidency of the Republic)/
Agência Brasil(CC BY 3.0 BR)>