筋力と同時に心肺機能も鍛えられる。だとすれば確かに合理的だ。そんな合理性ゆえか、ロシアの格闘家ヒョードルもトレーニングに利用していたほか、最近では大相撲初場所で見事優勝を飾った琴奨菊関もケトルベルをトレーニングに導入している。
もちろん、格闘家だけではない。時間効率抜群なこの合理性故に、ケトルベルによるトレーニングは、忙しいサラリーマンにこそうってつけだという。
「男性であれば夜仕事から帰宅後に16キロ、24キロのケトルベルと畳1枚のスペースあれば人並み以上のパワーと持久力が身につくでしょう。24キロのケトルベルを下から頭上まで振る負荷は120キロに達すると言われています。これを反復したらどうなるでしょう。想像に難しくないと思います。もちろん、ケトルベルの効果と同等のことはバーベルで達成できるかもしれません。しかし、130キロのバーベルとトレーニング可能な場所は東京都内でも限られますし、時間的制約もあります」
松下氏によれば、土台となるトレーニングは「
ツーアームスイング」と「
ゲットアップ」だという。
ゲットアップの途中過程の松下氏。見るからに体幹強化に効きそう
「これはケトルベルトレーニングの基礎種目ですが、非常に奥が深く効果が高いトレーニングです。また、持てばわかりますが、ケトルベルを持つとやはり上に持ち上げたくなる。こんな人にはミリタリープレスやスナッチという種目もオススメです。体の柔軟化と持久力向上、瞬発力向上効果があります。日頃疲れて息切れするような行動をとっても疲れなくなるでしょう」
ツーアームスイングとは下の動画の2分4秒あたりから始まる種目で、両手で一つのケトルベルを持ち、前後に振る種目だ。デッドリフトなどの筋力トレーニングに慣れた人ならコツを掴みやすいが、慣れていない人は注意が必要だ。瞬発力や心肺能力に効果があり、あらゆるケトルベルトレーニングの土台となる種目だ。
ゲットアップというのは独特の種目で、下の動画では1分51秒から始まる種目。こちらは仰向けの姿勢でケトルベルを持ち上げ、そのまま立ち上がり、立ち上がったら元に戻るという動作。やってみるとなかなかに難しいが全身にじわじわ効くという。
動作にあたっては細かい注意点もあるので、松下氏のアップした動画や著書を参考にしてもらいたい。
⇒【動画】はコチラ https://hbol.jp/88064