ジョブズの脳も活性化させた!?――注目の脳内物質「オキシトシン」の正体
スティーブ・ジョブズが好んで行っていた座禅は集中力や直感力を高めることで知られている。その源が、セロトニンという脳内物質にあることはご存じの方も多いかもしれない。”幸せホルモン”とも言われ、覚醒や体温調節、メンタルヘルスに関わる神経伝達物質である。
近年、そのメカニズムが明らかになるにつれ、セロトニンの作用を強力に後押しする、オキシトシンという物質がにわかに注目を浴びている。
「オキシトシンは人との絆や愛情を感じる脳内ホルモンです。分泌されるとセロトニン神経の働きが活発になり、ストレス耐性が上がる。つまりメンタルの状態や脳のコンディションが整うようになるのです」(東邦大学医学部教授 有田秀穂博士)
オキシトシンは授乳中の女性に分泌されると言われていたが、最近の研究では年齢や性別関係なく、分泌されることが分かった。家族や恋人の間などの物理的な接触に心地よさが伴うのはオキシトシンの作用なのだという。
「人の脳は、ストレスを感じるとセロトニン神経の働きが抑制されますが、オキシトシンはストレスを鎮め、セロトニンの分泌を回復させる作用もあります」
つまりオキシトシンの分泌を活発にさせれば、ストレスから解放されるということか。では、オキシトシンの分泌をコントロールすることは可能なのだろうか。
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