フェイスブックは、第4四半期、広告収入全体に占めるモバイル広告の割合は80%で、第3四半期の約78%、前年同期の69%から拡大している。ビデオ閲覧数の急増も広告収入の伸びにつながった。昨年末の月間アクティブユーザー数は15億9000万人で、前年末から14%増加。このうちモバイル機器経由は14億4000万人で21%増加した。
アマゾンは、第4四半期と通期ともに業績が低調だった原因を「前年度比で為替変動によるマイナスの影響があった」ためだとしている。Amazon Web Services(AWS)は好調である。
ネットフリックスは、米国外での事業展開が成長している。第4四半期のオンライン動画配信サービスの契約純増数が560万人に達し、そのうち米国外の契約者は400万人超の純増で、アナリスト予想を上回った。2015年の契約者が海外の約1200万人を含めて約1700万人の純増となり、今年の海外の伸びも加速するとの見通しを発表した。
アルファベットは、モバイル端末の広告収入や動画投稿サイト「ユーチューブ」事業が堅調である。
このように、ドル高要因を除くと各社とも事業自体にリスクはさほどないように思え、“FANG”各社の業績は2016年も順調であると予想される。
2016年の“FANG”の株高は終了し、医薬品などディフェンシブ株へのシフトが起きると言われることもあるが、それは米国経済や世界経済の景気拡大が今年も継続するかによるのではないだろうか。すなわち、景気拡大が続けば、“FANG”の株価上昇は続くであろうということだ。
米国内経済は、個人消費や住宅投資など米国内需要は堅調であり、景気後退のシグナルは出ていない。一方、米国外では、中国や資源国の景気減速のリスクもあるし、日本・欧州もなんとか金融緩和で景気の下支えがなされているもののリスク要因がないとはいえない。
ただ、世界経済自体は予断を許さない状況ではあるものの、こと「FANG」企業の今後の展開を考える限り、“FANG”株にはそこまで悲観的になる必要はないのではないかと思うが、果たしてどうなるだろうか。
<取材・文/丹羽 唯一朗 photo by
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