世界の軍需企業トップ10社の顔ぶれがこれだ!

photo by United States Air Force(CC0 PublicDomain)

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は毎年、世界の軍需企業ランキングTOP100(SIPRI Top 100 and recent trends in the arms industry )というものを発表している(ただし、中国の企業は数値が不明のためランキングからは除外されている)。その最新版は2015年12月14日にリリースされた2014年のランキングだ。  そのランキングによれば、2014年の米国及び西欧諸国の武器販売数は減少傾向にあったという。その一方で、経済の停滞にも関わらず、ロシアや新興国は上昇傾向にあったとしている。  しかし、そうは言っても米国は上位100社のうち54.4%(前年比4.1%減)を占めるという圧倒的なシェアを誇っているのが現実だ。米国企業の上位10社へのランクインは7社となっている。残りの3社はヨーロッパだ。  さて、同ランキングのトップ10はどのような企業が占めているのだろうか?

1位から3位までは毎年不動のポジション

1位:ロッキード・マーティン  本ランキングでは2010、2011、2012、2013、2014年と不動のトップを突き進む名実ともに世界最大の軍需企業。兵器の売上高は総売上高の82%にも及び、その額およそ374億ドル。1995年にロッキード社とマーティン・マリエッタが合併して生まれた同社は極秘設計チーム「スカンクワークス」を擁していたことはあまりにも有名。現在開発中の最新鋭のステルス戦闘機F-35ライトニングII(※日英も出資)やF-22ラプター(※ボーイングとの共同開発)を生み出したトップ企業。ボーイングやBAEシステム、レイセオンなど上位企業が売り上げを減らす中、ここは兵器売り上げが2013年とくらべて20億ドル近く増えているのが印象的だ。 2位:ボーイング  世界的に知られた航空機メーカー。エアバス・グループとともに民間旅客機市場を二分する巨大航空機メーカーである。軍用部門は全売上の31%とそこまで大きくはないが、何しろ全体の売り上げが907億ドルを超えているだけに、31%でもロッキード・マーティンに次ぐ283億ドルの売り上げを誇る。2013年と比べると20億ドル売り上げを減らしている。航空機だけでなく、ミサイルや攻撃ヘリなども開発している。 3位:BAEシステムズ  欧州最大にして、世界トップ3に常にランクインするイギリスの巨大軍需産業。米国内にも子会社BAEシステムズ・インクを持ち、世界的なシェアを誇る。起源はイギリスの国有航空宇宙企業「ブリティッシュ・エアロスペース」だが1999年に民営化して設立された。2008年には324億ドルの売り上げを叩き出し、ロッキード・マーティンやボーイングを抜いてランキング1位になったこともある。2014年の兵器売り上げは257億ドルで総売上の94%を占める。
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4位には「パトリオット・ミサイル」のあの企業
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