「社会主義者」を自称するサンダース候補の猛追で前代未聞の事態となった米大統領選

photo by Gage Skidmore on flickr(CC BY-SA 2.0)

米大統領選に起きた「異変」

 アメリカ大統領選挙がいよいよ「公式」にスタートする。 「公式」と言っても、アメリカの大統領選びはいささか複雑だ。  11月に行われる大統領選挙本選の前に、まずは、各政党が候補者を選ばねばならない。  この各政党での候補者選びは、約9か月の長丁場になる。選び方は基本的には各政党の自由に任されている。日本の各政党の党首や総裁選びがその政党の任意に任されており公職選挙法等の公法による制約を受けないのと同じだ。従って「公式」とは厳密には言えない。 しかしながら強力な二大政党制の米国では民主・共和両党に於ける候補者選びは、実質的に大統領職へ向けたレースの一環として扱うしかない。  この複雑な大統領候補選び→大統領選挙本選までのスケジュールを表にまとめてみた。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=79799  この表でわかるように、大統領レース最初の関門が、2月に開催される最初のアイオワ州党員集会だ。そのため、目下、アメリカの各メディアが民主共和両党の候補者支持率世論調査を発表している。  CNNが1月24日に報道したところによると、アイオワ州の党員大会出席予定者における各候補者の支持率は以下のとおりだ。 (Kopan, Tal. “Donald Trump, Bernie Sanders hold solid leads in Iowa, CNN/ORC poll finds.” CNN 2016年1月24日) ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=79800  共和党ではトランプがリード。そして民主党ではなんとヒラリー・クリントンではなく、バーニー・サンダースがリードという結果となったのだ。  CNNのみならず、各社ともに同じような世論調査の結果になっており、大方のアメリカのメディアは、「トランプ躍進」より「サンダース優勢」を驚きをもって迎えている。
次のページ
「サンダース躍進」を報じぬ日本メディアの鈍感さ
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会