すしざんまい社長・木村清氏の心意気「ニッポンのマグロは私たちが守る!!」

日本のマグロ漁と中国のマグロ漁は違う!

――最近、中国のマグロの漁獲量が増えています。「日本の食文化を守る」とおっしゃっている木村社長としては、「すしざんまい」を訪れた中国人がマグロの美味しさを知って、中国でのマグロ人気がさらに高まってしまうと、忸怩たる思いもあるのでは? 木村:その認識が間違っているんです。中国人がいくらマグロを好きになるといっても、毎日寿司を食べるわけじゃないでしょ。刺身としてマグロを食べる量なんて、たかが知れているんです。どんどん食べてもらえばいいじゃないですか。問題なのは、生食用のマグロじゃないんです。ツナ缶用のマグロなんです。彼らが獲っているマグロの9割はツナ缶用にまわされています。しかもそのマグロは、「幼魚」と言ってもいい、まだ小さいサイズのマグロ。ツナ缶で油漬けにしてしまうなら、マグロの大きさなんか関係ないですからね。だから、小さいマグロまでどんどん獲ってしまうんですよ。あと3年泳がせておけば10倍の大きさに育つのに、それを待たずにどんどん獲ってしまう。そういうところをちゃんと見ないで、マグロ資源の保護だとか、漁獲量の制限なんてことをやっていると、おかしなことになるんじゃないですか。 ――確かにクロマグロは一時減少しましたが、ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)の漁獲規制などで資源量が回復し、今では漁獲規制が緩和されていますね。 木村:そう。でも、だからといってまだ小さいマグロまで獲っていいのでしょうか。私たちは、クロマグロの備蓄システムを開発・確立し、15年掛けて、現在、北大西洋では一日で一年分の二万数千トン獲れるようにしました。漁獲規制で「とにかくクロマグロを獲るな」というだけでは、何の解決にもならないと思います。 ――まるで木村社長が日本の水産行政を担っているようです。
国別マグロ類の漁獲量

国別マグロ類の漁獲量

木村:好きでやっているんじゃないですよ。水産資源のことをもっと皆が時間をかけてちゃんと勉強し、とことん議論を尽してないから、一部の狂信的な自然保護団体の理不尽なクレームに右往左往してしまうのではないでしょうか。彼らの言っていることが、本当の自然保護につながっているのでしょうか? 私はちゃんと調べて、筋の通ったことを言っているつもりです。だから私が言っていることも、彼らは納得してくれています。  インタビュー中の木村社長の話し方は、ひと言ひと言が力強く、圧倒的な説得力を持ち、熱い思いがヒシヒシと伝わってくる。しかし、決して「乱暴」な話し方ではない。自分の言いたいことや思いが次から次へとあふれてくるのだ。このパワーが、好調に出店を続ける「すしざんまい」の原動力となっているのだろう。 ⇒すしざんまい社長が語る「築地市場移転問題」と「ソマリア海賊問題」 へ続く

波瀾万丈!すしざんまい木村清氏の来歴

1952年:千葉県東葛飾郡関宿町木間ヶ瀬(現 野田市)に生まれる。4歳のとき、父親が他界する。 1968年:中学校を卒業。F104のパイロットをめざして航空自衛隊第4術科学校生徒隊に入隊するも、通信兵を養成するための学校だったことを知る。失望するも、厳しい訓練の毎日に耐える。 1970年:大検に合格したことで、航空操縦学生になる資格を取得。 1972年:中央大学法学部(通信制)入学。司法試験合格を目指し、通信教育で学ぶ。 1973年:事故で目を患い、パイロットを断念。同年、航空自衛隊退官。 1974年:中央大学入学後、2年で司法試験の択一式試験に合格するも、学費を捻出するため、百科事典の訪問販売など、数々のアルバイトに精を出す。その後、大洋漁業(現・マルハニチロ)の子会社で、冷凍食品などを扱う新洋商事に入社。3か月間のアルバイトの予定だったが、水産や食材に深い興味を持ち、正社員に。 1979年:それまでの経験と知識を活かし独立、木村商店を創業。お弁当・寿司ネタなどの開発・製造・販売、世界各国の海産物の輸入・販売ガリの製造から本マグロの漁獲販売までを手がけるほか、カラオケボックスレンタルビデオ店、コンビニなども経営。手がけた業種業態は90に及ぶ。同年、中央大学卒業。 1985年:株式会社喜代村を設立。それまで多角化してきた事業を「水産食品」「弁当」「寿司」「商品開発」の4部門に絞って経営。順調に事業を拡大するも、バブル崩壊でメインバンクの裏切に合い、止むなく、事業を縮小。最後に手元に残っていた資金300万円で、築地に「喜よ寿司」を開業。 2001年:日本で初めての年中無休、24時間営業のすし店「すしざんまい本店」を開業。またたく間に店舗数を増やす。 2006年:寿司職人の養成学校「喜代村塾」開校。 2013年:初競りで、大間産の本マグロを1億5540万円で落札し話題に。アフリカ・ソマリア沖の海賊問題解決と、同海域でのマグロ漁場開拓のため、ソマリアの新政府に、民間による漁業支援を申し出る。 2014年:築地市場が豊洲に移転するのに合わせ、同地に新たな「場外観光拠点」として、応募した「千客万来施設」が採用される。 2015年:「千客万来施設」建設・運営の辞退を発表。 ― すしざんまい木村清社長「ニッポンのマグロは私たちが守る!!」 ―
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