【フォトレポート】53年ぶりの国産旅客機 三菱・MRJが初飛行に成功
2015年11月11日、日本の航空機産業に新たな一ページが加わった。YS-11以来53年ぶりの国産ジェット旅客機、三菱・MRJの初飛行が成功したのだ。
以前の記事でも紹介した通り、国産ジェット旅客機の開発は日本国内の航空産業にとって悲願であり、三菱にとっても社運をかけたプロジェクトであると言っても過言ではない。同社の最終組み立て工場のある愛知県・県営名古屋空港で行われた今回のテスト飛行は、午前9時25分、滑走路へ進入、約一時間半の飛行の後、同飛行場に無事着陸した。
三菱航空機代表取締役社長の森本氏をして「大成功」と言わしめた今回のMRJ初飛行の様子を、写真とともに紹介していく。
⇒【画像】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=67688
前日までの曇り空から一転、快晴の下関係者・取材陣が見守る中、MRJは駐機場よりゆっくりと滑走路に向かっていった。
随伴機である航空自衛隊のT-4練習機の到着を待ち、離陸を滑走していく。
最初のテスト飛行ということで燃料が少ないためか、非常に早い段階で機首を上げ、力強く上昇をしていった。
MRJは一時間半のテスト飛行後、随伴機を連れ無事名古屋飛行場に戻ってくる。初回飛行のため逆噴射は使用していないものの、接地から停止までスムーズにこなし、その操縦性の高さを示しているようだった。
着陸を無事こなしたMRJは滑走路より関係者、取材陣がまつ駐機場へゆっくりと転回し、そのまま駐機場へ入っていく。
駐機後、フライト後のチェックを全て終え、降機するテストクルー。その表情は自信に満ちあふれており、この航空機の持つポテンシャルの高さを示しているようであった。
以上が概ねの流れだ。
(三菱航空機(株)提供⇒http://youtu.be/VLuohjxs3k0)
今回の初飛行はネット上でも生中継が行われ、多くの方々が見守っており、日本の航空業界の今後に大きな期待を抱かせるものとなった。しかしこれから2年という時間をかけ、2500時間に及ぶ飛行試験をパスしなければ市場に出すことはできない。
テスト機であるため内装の取り付けはされておらず、開発はまだまだこれからが本番であるという様子だ。
すでに国内外から400機もの注文を受けているという三菱・MRJ。しかし、日本の航空産業の悲願であるジェット旅客機製造への進出が成功するかどうかは、これからの飛行試験に掛かっている。 幾多の困難を乗り越え、初飛行にこぎつけた三菱・MRJであるが、実はまだ、歩き始めたばかりなのだ。<文・図版/村野裕哉>
【村野裕哉】
PowerMacとWindows98で育った平成生まれのガジェッター。趣味の旅客機を眺めつつHTML/CSS/Javaなどを中途半端にかじって育つ。ブログなどでレビュー記事を執筆中。twitter : @anaji_murano
午前9時20分、出発
午前9時35分、滑走路に待機するMRJ
午前9時36分、離陸
午前11時13分、着陸
午前11時15分、関係者の待つ駐機場へ
午前11時50分、テストクルーが降機
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