サードウェーブの流れで見直される「昔からの喫茶店」スタイル

⇒【前回】はコチラ

ドトールを擁するドトール・日レスホールディングの100%子会社、日本レストランシステムが打ち出す星乃珈琲はスフレパンケーキなど女性人気が高い

 飲食店業界の中で目立った勢いを見せる「ロードサイド型珈琲店」。”3強”とされるコメダ珈琲・ミヤマ珈琲・星乃珈琲のうち、コメダ珈琲は「自宅のような居心地の良さ」を、ミヤマ珈琲は「地域コミュニティに入り込む」を戦略的に掲げているという。  飲食コンサルタントの赤土亮二氏は、「こうした取り組みそのものが店舗の付加価値を生み出すことにつながっている」と説明する。 「これらのチェーンは、価格競争でセルフ方式珈琲店やコンビニ珈琲に勝てる見込みはない。だから、セルフ方式などにはない付加価値を消費者に提供していくことが生き残る道になるんです。そして、セルフ全盛期が終わりを告げた今、“落ち着いて珈琲が飲める”という本来の喫茶店のスタイルが求められるようになった。それが、ロードサイド型の珈琲店が増えている最大の要因でしょう」(赤土氏)  そもそも都市型のセルフ式珈琲店は客の滞在時間が短く、回転数をあげることによって売上を確保している。それはターミナル駅周辺や繁華街などにはふさわしくても、地方や郊外で歓迎されるとは限らない。そこにうまくハマったのがいわゆる“昔からある喫茶店”が持っていたスタイルだったというわけだ。赤土氏は、「これからもこうしたロードサイド型の勢いは衰えないだろう」と分析する。ひとくくりに“喫茶店”“カフェ”として捉えるのではなく、消費者も利用用途に応じてセルフ式・コンビニコーヒー・ロードサイド型などのスタイルを選択していく。そんな時代が訪れたということなのだろう。 <取材・文/上原純(OfficeTi)>
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会