6年ぶりリニューアル!ハッピーターン魔法の粉の秘密

発売当初は、残念ながら売れなかった

 あの甘じょっぱい味も、今でこそ広く受け入れられているが、発売当初は、なかなか売れなかったという。しかし、そもそもがオイルショックという暗いニュースがテレビや新聞を賑わせる最中「お菓子で世の中をちょっと幸せに」と世に送り出したのが、ハッピーターン(幸せが戻る)で、そのための「(せんべいにもかかわらず)甘い味付け」だった。そんな背景もあり、包装などを変え、なんとか踏ん張ったのだとか。  また2012年には、社内で「ひろがるしあわせプロジェクト」を実施。この“幸せ”というのは、もちろんハッピーターンのこと。その一環として、社食でハッピーパウダーを使った茶碗蒸しやライスコロッケ、オムレツやシャケのハッピーターン衣焼きなどといった料理を毎月提供。さらに、阪急うめだ、横浜高島屋、博多阪急では、カマンベール味や木苺味の楽しめる店舗「ハッピーターンズ」を出店。社内外に広く、ハッピーターンの魅力を浸透させたそうだ。その甲斐もあり、翌年は売上が二桁伸び、「現在では柿の種に次ぐ主力商品に成長した」という。
ハッピーターン03

社食で提供された定食の写真。てんぷらと茶碗蒸しにハッピーパウダーが入っている

魔法の粉の配合はこれからも門外不出

 ハッピーパウダーの成分は、もはや誰もが知るところではあるが、その配合は「今後も秘密」だという。実際、社内でもその配合比率を知る人は「5人に満たない」と平野氏は語る。 「アンサイクロペディアには合法麻薬と書かれていますが、麻薬成分は含まれておりません(笑)。でも、やみつきになるほど美味しいと評価していただけているのは、とても光栄です。ハッピーパウダーの作り方は、これからも秘密ですが、いつまでも『人を幸せにする粉』であり続けたいです。もちろん、成分自体はバレてしまっているのですが(笑)」  せんべいのイメージが強い亀田製菓だが、実は水飴作りから始まった会社だという。しょっぱいものは、往々にして人の胃袋を満たし、甘いものは人を幸せにする。ハッピーパウダーの作り方は、しょっぱさも甘さも知るこの会社にしか本当にわからない、魔法のレシピなのかもしれない。 ハッピーターン04<文・写真/HBO編集部>
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