鳥取進出を発表するセブン-イレブンジャパンのサイト
5月にスターバックスコーヒーが出店したことで、「スナバもスタバもある県」になった鳥取県。
さらに、セブン-イレブンも今秋に鳥取県への初出店が決まっており、もはやネタにされることもなくなるかもしれない……と思いきや、全国展開しつつもまだ鳥取県に進出していない全国チェーンも少なくない。
その一つがドン・キホーテ。現在のグループ店舗数307店舗(7月23日現在。ピカソや長崎屋などドン・キホーテ以外の名称の店舗も含む)、ハワイにまで店舗を持ちながらも鳥取県、島根県、徳島県は未出店となっている(高知県はグループの長崎屋)。
同社広報によれば、「今のところ出店の予定はありませんが、これまで出店していないのはたまたまご縁がなかったというだけなので、いつでもロケーションが合致する物件があればぜひにと思っています」とのことで、いわゆる流通上の理由などではなく、物件は常に探しているのだとか。
また、同じく地方のロードサイドでは常に見かける存在のパチンコチェーンの「マルハン」も全国で300店舗を展開しながらも鳥取、島根、徳島、沖縄には未出店だ。レジャー産業ではボウリングアミューズメント企業のラウンドワンも北米店舗含んで全国118店舗ながら鳥取、島根、山形、茨城、富山、福井、長崎に未出店と、こちらもやはり鳥取は未出店だ。
他にも、松屋(鳥取、島根、青森、秋田、高知、福岡以外の九州、沖縄が未出店)など、鳥取・島根は未出店の店舗が結構多いのである。
未出店の理由は、マッチングする物件がたまたまないなど各社さまざまだが、最大の理由はやはり人口の少なさがビジネスにとっては大きなネックなのであろう。全国都道府県の人口ランキングで言えば、鳥取、島根、高知、徳島は人口ランキングでもワーストの常連県なのである。とりわけ鳥取県は人口が少なく、全国のどの政令都市よりも少ないのである。そのため、市場規模が大きくないため、出店側にとってはメリットが薄いという点があったのだ。
とはいえ、この「ない」ことがこれだけ広く知れ渡り、「ネタ」になっている現状では、ひとまず進出するだけで話題になるというのはある意味メリットかもしれない。
蛇足になるが、サブカル系書籍・雑貨のヴィレッジヴァンガードは、なんと鳥取だけでも4店舗もあり、関東の群馬(3店舗)より多かった(全国396店舗)。鳥取はサブカル好きが多いのかもしれない……。
<取材・文/HBO取材班>