日帰り出張で最も使える交通手段は?【LCC、新幹線、レガシーキャリア徹底比較】
2012年3月、ピーチが日本に登場して以来、ジェットスタージャパン、春秋航空日本、バニラエアと、すでに日本では定着したかに見えるLCC(格安航空会社)。物は試しにとばかりに、すでにこれらの会社を利用したことのある読者も多いことだろう。
しかし、運賃の安さと引き換えに、利用できる便が限られていること、さらに空港自体が都市の中心部から離れているため、ビジネスの利用には向かないと考えている人も多いようだ。
そこで今回は、東京を起点とし主要都市に日帰り出張した際の、最も使える交通手段を、運賃と滞在時間を比較しながら検証してみる。
【データの集計方法】
今回は朝の5時前後に品川を出発、最終便(終電)にて出発地に戻るというルートでシミュレーションを行っている。運賃の計算はLCCでは最安の運賃を利用、レガシーキャリアではANAを利用し、45日前予約での最安運賃として計算している。新幹線に関しては指定席利用、普通席の条件にて運賃を算出した。
滞在時間は空港(もしくは駅)に到着をした状態からカウントを始め、復路の交通機関に乗るまでの時間とした。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=51214
【コスト】
まずはコスト面の評価を行う、今回は上記のルートにて検討を行ってみた。
コストではやはりLCCが圧倒的に優れている結果となった。次いでレガシーキャリア、最後に新幹線という順番だ。
ただし、レガシーキャリアの運賃には注意が必要だ。今回のシミュレーションでは45日前割引を利用しているが、通常運賃を使うと2倍近くなってしまう。もし実際にレガシーキャリアを利用するのであれば、割引運賃の利用がカギとなるだろう。
【滞在有効時間】
滞在時間では、圧倒的に新幹線が有利かと思われたが、意外にもレガシーキャリアが、新幹線と同じくらい長い滞在時間を確保できることがわかった。出張場所が、空港近辺であれば、レガシーキャリアの利用もアリのようだ。さらに、短時間で済む用事であれば、LCCを利用しない手はなさそうだ。
◆まとめ
【LCC】→滞在時間が短い場合は、コスト面で圧勝
【レガシーキャリア】→滞在時間こそ長いが、運賃はやや高め
【新幹線】→運賃こそ高いが、利便性に優れ、滞在時間が長くなる場合にオススメ
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=51215
【コスト】
次に、福岡路線を上記のルートにてシミュレーションを行ってみた。やはり東京から500km以上の距離となってくると空路が有利なようで、LCC・レガシーキャリアともに、新幹線を圧倒している。
【滞在有効時間】
滞在時間に関してもコストとほぼ同様の結果となった。特にレガシーキャリアの滞在時間は長く、他の交通手段を圧倒している。やはりここでもLCCは乗り継ぎや待ち時間でのロスが大きいが、大阪と同様に短時間で現地での用事を済ませ、そのまま帰路につくという利用パターンでなら十分にオススメできる結果となった。
◆まとめ
【LCC】→滞在時間が短い場合のコストバランスは非常に良い
【レガシーキャリア】→効率面では最良、予約さえできればベストな交通手段
【新幹線】→コスト・時間面共に不利、オススメはできない
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=51216
【コスト】
新幹線がないため、陸路は省略した。航空会社にとって生命線であるドル箱路線だけあって本数・ダイヤの面でも、レガチーキャリアは充実している。運賃はLCCの倍となっているが、やはりこれは運行本数や羽田離発着であることを考慮に入れると致し方ないのかもしれない。
【滞在有効時間】
意外にも、新千歳路線はレガシーキャリアとLCCの滞在時間の差が最も短い結果となった。出発時間がLCCの方がだいぶ早い時間帯となっているが、復路の到着時間はほぼ同じという点も見逃せない。
双方とも十分な滞在時間は取れているため、コスト面を考えれば、ここはLCCをオススメしたい。
◆まとめ
【LCC】→コスト面・時間面双方ともバランスがよく、国内路線の中では特にオススメ
【レガシーキャリア】→滞在時間の優位性はあり、ゆっくり行動したいのであればこちらでも
主要三路線でコスト・滞在時間・効率の面で主要な交通機関を検討してみたがいかがだっただろうか。全体を通しての結論としては、滞在時間が短い場合はLCCが有利となり、逆に滞在時間を長めにとりたいケースではレガシーキャリア、近距離では新幹線が強いということだ。
それぞれの路線で一番のオススメを挙げるとすれば、大阪路線は新幹線、福岡路線はレガシーキャリア、新千歳(北海道)路線はLCCとしたい。
とはいってもこれはあくまでも一例であり、事前予約の割引制度や利用時間帯でまた構図が変わってしまうことを念頭に置いて頂きたい。自分がそれぞれの交通機関を利用する際に何を求めるのか、そこをはっきりと見定める事によって最良の選択ができるはずだ。<文・図版/村野裕哉 取材協力/岡部祐介>
【村野裕哉】 PowerMacとWindows98で育った平成生まれのガジェッター。趣味の旅客機を眺めつつHTML/CSS/Javaなどを中途半端にかじって育つ。ブログなどでレビュー記事を執筆中。twitter : @anaji_murano
東京~大阪間を比較する
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