23区内の500万円以下物件を実地調査してみた

住人不在で価格が暴落した500万円以下という“激安物件”に目をつけて、初期投資を抑えながら高利回りを実現する投資家たちが増えている。彼らが買うのはワンルームのマンション物件などでなく、主に老朽化した戸建て物件だ。一見でかいゴミにしか見えないようなボロ住宅を、投資家たちはいかにカネを生む「金の卵」に変えているのか……。彼らが実践する“破格物件高利回り生活”を探った! ⇒【画像】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=50886

元町工場がピカピカに!?

王子の物件

1軒目に見た王子の物件。480万円。北区岸町2丁目にありJR京浜東北線王子駅から徒歩15分。2K。借地権。再建築不可

 6月某日。有益な激安物件を見つけるべく「500万円以下の戸建てで」という希望条件を伝えて不動産会社にアポをとった記者。「城北・城東エリアならいくつかありますね」と話す営業マンに導かれてまず向かったのは北区王子の物件だ。JR王子駅から徒歩15分の閑静な住宅街。近隣には大きな公園や神社などがあり、周辺環境は悪くない。しかし、住所付近に辿り着いても、接道している建物はごく普通の住宅ばかりで、激安らしき物件は見当たらない。ふと見ると、家と家との間に人ひとり通ることができそうな路地が。その突き当たりに激安物件を発見。普通に歩いていたら、まず見つけられない。  築50年以上はありそうな物件は、空き家になって相当時間が経っていることをうかがわせた。間取りは2階建ての2K。ところどころ天井が抜けており、外の景色が見える。こんなのリフォームできるのか? とはいえ、リフォームで最もコストがかかる水回りは改修しなくてもほぼ大丈夫とのこと。23区内で480万円なんだから、破格値と言っていいだろう。  続いては、江東区亀戸の築51年・500万円の戸建て。界隈はスカイツリーを望むことができるし、下町風情も漂うなど、周辺環境は申し分ない。古いが決してボロではなく、掘り出し物の予感。だが、物件の外観を眺めているとなんだか違和感が……。明らかに傾いている。パッと見でわかるぐらいだから相当な傾き具合だ。住むのにさほど支障はなさそうだが、さすがは激安物件、一筋縄ではいかない。
亀戸の物件

2軒目に訪れた亀戸の物件(500万円)。江東区亀戸4丁目。JR 総武線亀戸駅から徒歩15分。昭和39年築。2K(28.08㎡)。元工場。借地権付き。再建築不可

 1階はなぜか土間。そこに流し台とトイレがあるのみという変な間取りなのだが、町工場だった建物を住居にリノベーションして使われていたという。2階は6畳程度の部屋が1つ。こちらが住居部分になるが、リフォームなしでそのまま住めそうなほどピカピカ。差し当たってリフォームが必要なのは、1階の土間ぐらいか。風呂がないのでシャワールームを増設するか、もしくはバイクガレージとしても活用できそう。交通のアクセスもいいし、これで500万円はお買い得といえるかも。とはいえ、傾いているんだけど。  最後は、荒川区南千住の築56年の戸建てだ。こちらも入り組んだ住宅街に立地しているが、JR南千住駅と日比谷線三ノ輪駅から徒歩5分と駅近。築年数通りなかなかの寂れっぷりだが、数年前まで人が住んでいただけあって、風呂も追い炊き機能なども付いており、まだまだキレイで新しい。ただ、階段がトイレの入り口を塞いでいてドアが開かないため中に入れずトイレが使えない。これは……欠陥住宅ですよね?
南千住の物件

南千住の物件(480万円)。荒川区南千住5丁目にありJR常磐線南千住駅、東京メトロ日比谷線三ノ輪駅からそれぞれ徒歩5分。昭和34年築。2K。42.71㎡。借地権付き。再建築不可

 2階は1階に比べて新しく、どうやら2階部分は増築されたようだ。もともと2部屋だった間取りをぶち抜いて1部屋にしているため、12畳はあろうかというフローリングの部屋は広々としている。2階にもトイレが設置されており、温水洗浄便座が付いていて新しい。こちらの物件は480万円。古いことは古いが、思ったよりオンボロというわけでもなく、それほど大がかりなリフォームは必要なさそう。業者に頼らず、自分でできるレベルか。  ざっと3物件を見てきたが、23区内の500万円以下の激安物件は十分投資対象としてアリな印象だ。前述した王子と南千住の物件を取り扱う創和住宅の中園康之部長は、次のように話す。 「弊社では、こうした物件を300万~400万円かけてリフォームしたうえで販売しています。それとは別に、リフォーム前の物件を購入して、ご自身でリフォームして不動産投資を行っている方もいらっしゃいますね。セルフリフォームだったら、100万円程度で済むことも。王子や南千住の物件はリフォームすれば、家賃8万円程度は取れます。リフォームのコストにもよりますが、やり方次第では利回り20%だって目指せると思いますよ」  そんな有望な不動産投資だが、23区内の激安物件はほとんどの場合、借地権が付いている。月々の地代は大したことはないが、諸手続きの費用で物件価格にプラス100万円弱かかってしまうので注意したい。とはいえ、少し探しただけでも激安掘り出し物件は発見できる様子。空き家が増える今、まさに絶好の投資先だといえそうだ。 取材・文・撮影/お得なボロ物件取材班 撮影/笠木靖之 取材協力/創和住宅(033834-8818)、三越住宅(03-3683-7633) ― 500万円以下の激安不動産でボロ儲けする方法 ―
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