荒れる地方議会――無関心が生む地方議会の「闇」その3
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とある保守系区議は「特に、うかい雅彦さんがひどい。特定の人を狙い撃ちして恫喝している。まともな話なんか一切できない」「うかいさんが嫌で自民党会派から出たいなんて話さえあるぐらいです」と語る。
先ほど紹介した、横尾としなり議員の当事者証言で、書籍の絶版と回収を求める「自民党幹事長」として言及されているのは、とりもなおさず、うかい議員のことだ。
うかい議員の執拗な攻撃を目撃した別の区議は「横尾さんが可哀想でみていられなかった。うかいさんは、横尾さんに詰め寄り大声でまくしたて続けていた」と、嫌がらせの実態を語ってくれた。
うかい議員は当年57歳。しかも与党会派たる港区自民党の幹事長だ。そのうかい議員が、わずか34歳の若手無所属議員に恫喝を加えるとは、あまりにも情けない。
また、先月の統一地方選の施行まで区議会議長の要職にあった、井筒宜弘議員の言動も極めて悪質だ。保守系区議は、「議長の井筒議員による、前任の議会事務局の局長への対応はひどかったですね」と、具体的な事例を教えてくれた。「人前で恫喝する」「議会のなかで恫喝する」など、数々の暴言を繰り返したというのだ。
議会運営に関わる事務を司る議会事務局は自治体職員で構成される。自治体の首長を社長に例えるなら、議会は役員会で、議員は役員に相当するだろう。そして自治体職員は一般社員だ。議会事務局で勤務する職員は、さしずめ、「役員会議の事務を担当する秘書課の社員」になるだろうか。
つまり、井筒議員による議会事務局局長への暴言行為を一般企業での出来事に例えるなら、「役員が、役員会の席上で、秘書課に属する一般社員を怒鳴り散らす」に相当するだろう。当然、まっとうな企業であれば、パワーハラスメントと認定され、ことによってはこの役員の罷免に至る可能性のある行為だ。
「言われてみれば……確かに、これ、パワーハラスメントですね」
取材に応じてくれた区議の一人は、筆者の指摘にハッとしたような顔をして応じた。
⇒その4:大都市でこそ顕著な、地方議会の「ムラ化」』(https://hbol.jp/41309)に続く
<文/菅野完(Twitter ID:@noiehoie)>
あたりかまわず怒鳴りちらす、港区自民党幹事長
区議会議長によるパワーハラスメント
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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