ギリシャ危機も完全無視!楽観論行き過ぎは大丈夫!?

吉田 恒氏

吉田 恒氏

 ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が強まっているが、それに対してほとんどリスクオフの目立った反応となっていない。  これを過去のギリシャ危機や欧州債務危機に比べると違いはよりわかりやすいだろう。2010年が第一次ギリシャ危機だが、当時「恐怖指数」VIX指数は40ポイント以上に暴騰した<資料参照>。また、2011年のイタリアなどが主役を演じた欧州債務危機でも、やはりVIX指数は40ポイント以上に暴騰した。 ※<資料>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=36734
ギリシャ危機

<資料>

 一方で、最近のギリシャは危機を通り過ぎ、いよいよデフォルトが現実味を帯びてきたにもかかわらず、VIX指数は12ポイント程度で推移している。リスクオフへの反応とならないどころか、逆にリスクオンの限界圏での推移となっているわけだ。  なぜ、ギリシャ危機への反応がこれほど違ったものになっているのか。ギリシャ危機への対策が講じられ、ギリシャ以外への波及懸念が大きく後退したということはあるだろう。広い意味では、ECBの量的緩和の影響はここでも大きいということだろう。  それは、ギリシャ危機でもリスクオフが広がらないという意味では理解できる。ただギリシャのデフォルトが現実味を帯びるなかでも、完全に黙殺したように、リスクオン限界圏で推移しているということは、行き過ぎた楽観論の懸念はないだろうか。(了) ◆4、5月のFXアカデミア関連の会場及びWEBセミナーのご案内 4月28日=プレミアムナイツ・セミナー「米外交と為替相場への影響」 5月7日=100万ドルナイト為替セミナー 5月13日=M2JFXアカデミア予測編第1部 http://www.m2j.co.jp/seminar/ 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。 著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など ●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi ●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会