ドル/円の「黒田日銀離れ」

吉田 恒氏

吉田 恒氏

 ドル/円は2013年4月頃から、日本の2年債利回りと高い相関関係が続いてきた<資料参照>。日本の2年債利回りは、日銀の金融政策を反映する金利。その意味では、まさにドル/円は、2013年4月の日銀・黒田総裁体制以降、黒田総裁が決めてきたようになっていたわけだ。 ※<資料>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=34269  そんな関係が、今年に入ってから大きく崩れ始めた。今年に入ってから2年債利回りが一時のマイナスから0.05%程度まで上昇したのに対し、ドル安・円高の反応はそれより軽微にとどまっている。  昨年までの関係を前提にすると、115円を下回るドル安・円高になっていておかしくない。ところが、そうなっていないわけだ。ドル円の「黒田日銀離れ」の構図となっている。あくまで一時的なのか、それともドル高・円安が大きく修正に向かう前触れなのか、注目されるところだ。(了)
黒田日銀

<資料>

◆4月の会場及びWEBセミナーのご案内 4月15日=「為替の学校」FXアカデミア予測編第1部 4月16日=「為替の学校」FXアカデミア予測編第2部 4月24日=WEBセミナー「マーケットリサーチ・レーダー」 4月25日=「為替の学校」FXアカデミア1day 4月28日=プレミアムナイツ・セミナー「米外交と為替相場への影響」 http://www.m2j.co.jp/seminar/ 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。 著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など ●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi ●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会