JR東日本 上野東京ライン開業。災害時の運転再開対応も懸念材料
3月14日に行われたJR各社のダイヤ改正。その中でも、大きな目玉となっているものが北陸新幹線の開業と上野東京ラインの開業である。特に、上野東京ラインは今まで山手線東側で旅客流動のボトルネックとなっていた上野~東京間を東海道線・常磐線・高崎線・宇都宮線が直通することになり、東京の人の流れに大きな変化をもたらしそうだ。
※上野東京ライン開業で注目されるメリットは?(https://hbol.jp/28575)
※課題は輸送障害への対応力(https://hbol.jp/28576)
相互直通運転を行う区間が増えて、利便性は間違いなくアップする。しかし、同時に広がりすぎた路線網は、常に輸送障害のリスクを抱えている。
「人身事故なら影響も少ないかもしれませんが、地震など大規模な災害が発生した場合の対応も気になるところです。東日本大震災では、JR東日本は運転再開までに時間がかかりすぎて批判を浴びていますし、通常時の輸送障害でも他の私鉄と比べると運転見合わせ時間が長い傾向にあります。災害までいかなくても、人身事故が連鎖した場合にどうなるか。その対応いかんでは、JR東日本は大きな批判にさらされることになるかもしれません」
2018年には相鉄本線と横須賀線・湘南新宿ラインの相互直通運転も開始予定。ますます広がり複雑になる路線網の中で、ひとたびどこかでトラブルが起きると関東圏全域にまで影響が出てしまう。利便性と引き換えに、こうしたリスクも背負っていることは間違いないようだ。ダイヤ改正当日の3月14日は土曜日。初の通勤通学ラッシュを体験することになる週明け16日月曜日の上野東京ラインにも、注目したい。
<取材・文・撮影/境正雄(鉄道ジャーナリスト)>
災害時の「運転再開」が長いJRにとって大きな課題
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