横浜市立図書館が「電子書籍」サービスを開始。横浜市在住者が試してみた

横浜市立図書館が「電子書籍」サービスを開始

横浜市立図書館電子書籍サービス

横浜市立図書館電子書籍サービスより

 去年の春、新型コロナウイルスが流行りだして図書館の利用が大きく制限された。私が住んでいる横浜市でも自由な貸し出しができなくなり、子供向け詰め合わせセットなど、一部の本しか借りられないようになっていた。  訪問して本を借りるという一般的な図書館の利用が難しくなった。こうした状況の時、電子での本の貸し出しがあるとスムーズに利用できる。「電子で手軽に借りられると本の販売を妨げるのではないか」「電子だと自由にコピーできてしまうのではないか」。コロナ禍以前は、そうした声も多く目にしていた。しかし、社会の変化によって再考するべき時が来たのだろうと感じた。  そうした中、2021年3月24日に、横浜市で『横浜市立図書館電子書籍サービス』がオープンしたというニュースを見た(横浜市立図書館電子書籍サービス)。電子書籍の数は約3000コンテンツ。去年まで月に何度か図書館を利用していたので、さっそくこのサービスを試してみた。

実際の使い勝手はどうなのか?

 横浜市立図書館電子書籍サービスの使い方は、ご利用ガイドに書いてある。  「電子書籍用利用者ID(=図書館カード番号)」を入力して、「初期パスワード(=西暦生年月日)」を入力すると初回ログインができる。初回ログインのタイミングで「新しいパスワード」の入力が求められるので、入力すると利用が開始できる。図書館カードを持っている人なら、簡単に利用を始められる。  本は、貸し出し中でなければ、「借りる」ボタンですぐに借りられる。貸し出し中なら「予約する」ボタンで予約をおこなう。ざっと見てみたが、多くの本が「予約する」の状態になっていた。盛況のようで、すぐに借りられる興味のある本は少なかった。  それぞれの本は、Windows、Mac、iOS、Androidに対応していると表示されている。Webブラウザで読めるので、モダンブラウザが利用できる環境なら、どの端末でも利用できるはずだ。  また、リフロー、フィックスの種類があり、リフローなら画面に合わせて表示される文字の量が自動で調整される。フィックスの場合はマンガのような固定レイアウトになる。「音声読み上げ」の表示がある本も多く、機械音声で読み上げをおこなってくれる。  実際に借りて読んでみたのだが、サクサクと読める。これは、既に多くの会社で採用されているシステムを利用しているからだ。この技術やビジネスの部分については後述する。  貸し出しは2週間で、借りる本、予約する本は2点までとなっている。トップページには、「新着資料」「ランキング」「【子どもむけ】図書館おすすめのちしきの本」「ティーンズ Pick up」「横浜・神奈川に関する本」「【ビジネス特集】社会人のマナー・仕事術」「新しいことにチャレンジ!」という特集ページのリンクがある。  「横浜・神奈川に関する本」という項目があるのが図書館らしいところだ。特集ページの本は、8~9割方「予約」状態になっていた。また、「ランキング」を見てみると、本屋との傾向の違いを感じることができた。以下に、記事執筆時点での1位から5位までを掲載してみる。 ● 第1位   『なりたい自分は髪でつくる 電子書籍版 美容室の選び方から自宅での前髪カットまでキレイを引き出す魔法のルールとテクニック』   砂原 由弥 著 誠文堂新光社 ● 第2位   『あらしのよるに (あらしのよるにシリーズ) 歌舞伎絵本』   きむら ゆういち 原作・文 講談社 ● 第3位   『赤い実たちのラブソング 電子書籍版』   名木田 恵子 著 PHP研究所 ● 第4位   『あなたにも解ける東大数学 (PHP新書) 発想と思考のトレーニング』   田中 保成 著 PHP研究所 ● 第5位   『いちばんやさしいビジネスモデルの教本 人気講師が教える利益を生み出す仕組みの作り方』   山口 高弘 著 インプレス ● 第5位   『実家のかたづけはじめました。 親が元気なうちにきれいにしたい! 捨てるだけでは終わらない!実際に体験してわかった親が笑顔になるかたづけ方』   堀口 祐子 著 誠文堂新光社 ● 第5位   『いい猫だね (ヤマケイ新書) 僕が日本と世界で出会った50匹の猫たち』   岩合 光昭 著 山と溪谷社
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コロナ禍で増える図書館電子書籍サービス
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